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結核予防のBCGは新型コロナにも有効か 世界的科学誌に掲載

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日刊ゲンダイDIGITAL

【役に立つオモシロ医学論文】  新型コロナウイルス感染症に対する治療薬やワクチンは世界中で研究開発が行われていますが、いまだ途上段階です。そのような中で、BCGワクチンが新型コロナウイルス感染症に予防的な効果をもたらすのではないかという仮説が、マスメディアやインターネット上でも話題になりました。  BCGとは、Bacille Calmette-Guérin(カルメット・ゲラン菌)の頭文字を取ったもので、本来は結核を予防するためのワクチンに用いられます。しかしながら近年では、結核以外の感染症にも有益な効果が得られる可能性が報告されています。  そのような中、生物学分野で世界的に有名な科学誌「セル」に、感染症に対するBCGワクチンの予防効果を検討した研究論文が、2020年8月31日付で掲載されました。  研究では、65歳以上の高齢者198人が対象となっています。被験者はBCGワクチンを接種する群と、プラセボワクチンを接種する群の2つの群にランダムに振り分けられ、医師の診察を必要とするウイルス感染症の発症リスクが比較されました。12カ月間にわたる追跡調査の結果、感染症を発症したのはBCGワクチン接種群で25%、プラセボワクチン接種群で42・3%と、BCGワクチンで45%、統計的にも有意に低下しました。  この研究は200人に満たない少数の被験者を対象とした研究であり、解析結果は偶然による誤差の影響を強く受けている可能性もあります。少なくとも新型コロナウイルスに対して有効であると証明されたわけではありません。ただ、BCGワクチンは免疫の働きを強め、健康状態に良い影響を与える可能性も指摘されています。新型コロナウイルスに対する予防効果も含め、今後の研究報告に注目です。 (青島周一/勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰)

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