4人全員を東大理三に合格させた佐藤ママ「子どもの好奇心は〈後でね〉で一気にしぼむ。子ども自身に考えさせ、意見を言わせて」
子どもに対し、つい感情的な言葉をつかってしまった読者も多いのでは。忙しい中、適切な言葉を選ぶのはなかなか難しいことですが、4人の子ども全員を東大理三に合格させた佐藤ママいわく「声かけひとつで、子どもは自己肯定感を高め、勉強にも前向きに取り組みことができるようになる」と言います。では子どもに「してはいけない声かけ」と「よい声かけ」とはどのようなものでしょうか。その一つとして「子どもに考えさせて、自分の意見を言わせる」ことが大事とのことで―― * * * * * * * ◆子どもの気持ちに寄り添った声かけで、信頼関係を築く 親の心構えとして、100%子どもに寄り添う覚悟をしてほしいと思います。「お母さんはいつも味方」「お母さんはどんなときも守ってくれる」と、幼いわが子に信頼されるためには、毎日の声かけは非常に重要です。 たとえば、子どもが困っているときには、「それは困ったね」「それは大変だね」と子どもの状態に深く理解を示し、転んで足をすりむいて泣いているときには、「痛いよね」と痛さを想像することから出てくる、心から子どもを思いやる言葉をかけることです。 また、子どもが話しかけてきたとき、たとえ家事で忙しくしていても、「忙しいから後で」「ちょっと待って」などとは決して言わず、お母さんのやっていることは中断して、「は~い」「なあに」とすぐに話を聞いてあげましょう。 子どもに「後でね」と言っても容易に家事は終わりませんから、子どもはかなり待たされることになります。子どもの膨らんだ好奇心は、「後でね」の一言でシューッとしぼんでしまいます。
◆幼いときの信頼関係で今後が楽に そのようなことが何度かあると、子どもはお母さんと話すことを期待しなくなりますから、二度と「ねえねえ」と話しかけてはくれなくなります。子どもに話しかけられたら、即座にどんなことでも中断して対応してあげることが、子どもとの信頼関係を作ることになるのです。 幼い頃には母親にくっついている子どもも、成長するにつれて自分の世界ができてきて、適度な距離感が必要になります。「ママ~」「お母さん」と呼んで、いつも母親の側にいたがるのは幼いときだけです。この時期にできるだけたくさん子どもとおしゃべりをして、親子の信頼関係を築きましょう。 幼いときに信頼関係を築くことができれば、その後の子育ては楽になりますよ。子どもはどんどん大きくなりますが、小さなときに培った関係があると後々受験や学校などの話もできます。 同じ家のなかに住んでいるのですから、心から頼れる親の存在は非常に重要です。このような環境に囲まれてはじめて、子どもは精神的に落ち着き、一生懸命に勉強をすることができるのです。 逆に、幼い頃に親子であまり話をせずに、子どもを怒ってばかりだと、だいたい小学校中学年以降に反抗して親の言うことを聞かなかったり、ほとんど話をしなくなったりする可能性は高くなります。 そうなってから、向かい合って話をしようとしても、なかなかできません。幼い頃にたくさん声をかけ、会話をして、親子のゆるぎない信頼関係を築くことが大切です。