日本生まれの「ネスカフェ香味焙煎」 その独自価値、日本全国の陶磁器と手紙のやり取りで伝える ネスレ日本と日本六古窯が協働
古来の陶磁器窯のうち、中世から現在まで生産が続く代表的な6つの産地(越前・瀬戸・常滑・信楽・丹波・備前)を総称して「日本六古窯(にほんろっこよう)」と呼ぶ。 公式サイトで日本六古窯の中から気になる陶磁器職人のメッセージ(手紙)を読み、応募フォームで職人へのメッセージ(手紙への返事)を書いて応募すると「ネスカフェ香味焙煎」と陶磁器のセットなどが当たるキャンペーンが16日から実施されている。 このキャンペーンの狙いついて、取材に応じたネスレ日本の吉永祐太飲料事業本部レギュラーソリュブルコーヒー&RTDビジネス部ユニットマネジャーは「『香味焙煎』のブランドとして大切にしているのが作り手と受け手の共感。手紙での応募と一手間加えたことで『香味焙煎』とともに日本六古窯ならではの価値を提供できるのではないかと考えた」と説明する。 「香味焙煎」は、香りや品質に対するこだわりが強い日本人に向けて1998年に開発され た日本独自のブランド。メインターゲットは40、50代男性であることから、陶磁器との親和性を見込む。 「ターゲットの方には“本質を見極めたい”“自らの価値観・審美眼で選択したい”方が多くいらっしゃると思っている。ストーリーは各地域によって全く異なり、それらの中から選択する価値観は『香味焙煎』と非常にマッチしている」とみている。
「ネスカフェ」の中で、「ゴールドブレンド」は、コーヒーの飲用を通じて上質な空間を楽しむ“コーヒーモーメント”の価値を重視。「エクセラ」は、朝のシーンで誰かと飲用する“シェアリングモーメント”の演出に注力している。 「香味焙煎」については「1人の時間で香りを楽しむであるとか、作り手と受け手の思いが通じ合う充足感みたいなところに独自価値があると考えている」。 ネスレ日本は、昨年9月に「香味焙煎」をリニューアル発売。特長とする香りと味わいを最大限引き出すべく原点回帰を図った。 焙煎は、職人が1000通り以上の中から豆の組み合わせを厳選し、香りと味わいを最大限に引き出す焙煎度で焼き分け、抽出は、粉砕した焙煎豆から立ち上がる香りを真空・超低温下で瞬時に凍らせることで上質な香りを製品に封じ込めた。 濃厚で深いコクが特徴の「豊香(ゆたか)」(60g瓶・50gエコ&システムパック)と柔らかな香りとまろやかな雑味が特徴の「柔香(やわらか)」(60g瓶・50gエコ&システムパック)の2品・4SKUを取り揃えて販売したところ、瓶製品は販売店当たりの10―12月販売金額で前年同期比1・4倍を記録した。 これについては「非常に好調なスタートだと思っている。発売後に消費者インタビューを行ったところ『ゆたか』『やわらか』の両方をご購入されて、朝に『やわらか』、午後に『ゆたか』と時間帯で飲み分けられている方が非常に多いことが分かった」と述べる。 昨年9月のリニューアル発売から日が浅いことから春夏に向けては2品の特長を含めて認知拡大に注力していく。 「TVCMやデジタル広告、ラジオ放送局とコラボしたラジオコンテンツなどで『香味焙煎』の製品特徴を理解していただけるようなコミュニケーションを大規模にやっていきたい」と意欲をのぞかせる。 なお16日、オンライン発表会に登壇した六古窯日本遺産活用協議会副会長と甲賀市長を務める岩永裕貴氏は、今回のネスレ日本と日本六古窯との共同企画「ネスカフェ 香味焙煎 文通陶磁器~職人 があなたを象(かたど)る珈琲マグ~」について「“こんな素敵な器があるのか”“こんな素敵な職人さんがおられるのか”と多くの方が焼物の産地に思いを馳せていただき六古窯に興味を持っていただくことを期待している」と語った。