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なぜ日本の少子化対策は「大失敗」だったのか?

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現代ビジネス

 7年8ヵ月という、憲政史上最長の通算・連続在任日数を記録した安倍晋三内閣が退陣した。世間の話題は、安倍内閣の路線を引き継ぐと公言し、成立した菅義偉内閣の働きぶりに移っている。 【写真】「一度も働いたことない40~50代大卒娘」を抱えた高齢親が増加中  「史上最悪」だの、「アベノミクスで景気回復を達成した」だの、安倍内閣は毀誉褒貶の激しい政権ではあった。  しかし1億人を超える巨大国家における国民の生命と財産を守る仕事に専心された姿には、一国民としては、敬意と感謝と慰労の念しかない。  すでに安倍内閣に対する種々の論評は一段落した感もあるが、本稿では、改めて少子化対策という観点から、この政権の「レガシー」を評価してみたい。

少子化対策は効果がなかった

 少子化が日本で社会問題化してから、今年でちょうど30年目となる。  1990年6月9日、旧厚生省が、前年の合計特殊出生率(=女性が一生に産む子ども数の推計平均値)が当時過去最低を下回る1.57であったことを公表したこの日から、少子化は日本における最大の社会問題とみなされるようになった。おなじみの「1.57ショック」である。  今にして思えば、合計特殊出生率が1.57というのは、かなり高い数字にさえ思える。第二次安倍内閣が成立した2012年の合計特殊出生率は1.41(第2次安倍内閣は同年12月の成立なので、この数字はほとんど民主党政権時代の数字とみてよい)。  その後、出生率は0.1未満の範囲で微妙に上下動を繰り返しながら、2019年のそれは1.36。ほとんど誤差の範囲でしか動いていない(図1)。もちろん30年前の水準には、1度として到達していない。  無論これは、歴代の政権が「無策」だったからではなく、与野党問わず、ここ30年間、少子化を問題視し、なんとか出生率を高めようと努力してきた。  エンゼルプラン(保育サービスの充実)、次世代育成、男女共同参画、子ども手当、ワークライフバランス、働き方改革、地方創生、女性活躍など、目まぐるしくスローガンを変えながら、「官民一体」の取り組みがなされてきた、はずである。  にもかかわらず、少子化対策は奏功しない。だとしたら、何かが間違っていたのではないか。そのような疑念が生じて当然だろう。実際、家族社会学者の山田昌弘氏は、『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか? 』(光文社新書、2020)という著作を、今年5月に刊行している。  ほそぼそとした歩みながら、筆者も20年ほどこの問題に関わってきた。「女性が働きやすい国や社会ほど出生率が高い」だの、「仕事と子育ての両立困難を解消すれば少子化は防げる」だのといった言説の欺瞞を、国民に真の情報を発信する実証主義の観点から疑義を呈してきた。  それでも、筆者のように、「少子化問題は、現行のやり方では解決しないし、解決する必要もない」、「子どもが減って何が悪いか!」、「少子化対策を止めて、ステルス支援に徹しよう」という立場は、政治的、政策的には黙殺されるほかない。  それは構わないのだが、ここ20年、「〇〇を行えば、少子化に歯止めがかかる」というタイプの言辞を弄してきた専門家、学者、評論家、政治家の方々には、真摯に反省していただく必要はあるだろう。  そのための素材を提示したい。

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