パリの暮らしとインテリア[8]壁のカラーリングで狭くて暗い部屋が大変身! 建築家のアパルトマン
女性の建築家、カミーユ・エチヴァンさんは、パリによくある陽の光があまり入らないアパルトマンに住んでいます。部屋ごとに壁の色や壁紙を変えることで、見事に明るい印象のアパルトマンに変身させました。壁に手を加えることでここまで素敵になるというお手本のようなおうちです。 連載【パリの暮らしとインテリア】 パリで暮らすフォトグラファーManabu Matsunagaが、フランスで出会った素敵な暮らしを送る人々のおうちにおじゃまして、こだわりの部屋やインテリアの写真と一緒に、その暮らしぶりや日常の工夫をご紹介します。
人気が出ることを予想して20年前に20区に引越し
パリの住宅価格の高騰のため、今では「パリで家が買えるとしたらもうこのあたりしかない!」と注目度のとても高いカルチェ(地区)の19区と20区。カミーユさんのアパルトマンは20区の坂の多いメニールモンタン地区にあります。 パリ中心部へのアクセスはメトロで10分程度、それなのに20年前は、とても静かで、お店もそれほどありませんが、特に物価が安くて住みやすい地域でした。しかしカミーユさんは、きっとここは人気になるだろうと予想してアパルトマンを探し始めたそう。
近くには大きなベルヴィル公園があったり、あまり知られていないパヴィヨン・ボードインという18世紀の美しい石造りの邸宅もあり、散歩をしたり、くつろいだりすることができる場所がたくさんあるのも、この地区でアパルトマンを借りる決め手となったとか。 最初は友人と共同でアパルトマンを借り、今はカミーユさんと11歳と14歳の息子さん、雄の子猫“SUN”という家族構成で暮らしています。
壁紙で部屋を明るい印象に
「このあたりに住みたいと漠然と思っていた時、たまたま通りかかった建物の管理員が”アパート貸します”と、張り紙をしていたんです」とカミーユさん。そのころは子どももいなかったので、65平米で寝室2部屋、サロン、ダイニングのあるこのアパルトマンは、友人と2人で住むのにちょうどよかったそうです。 「契約者が2人で連名契約ができる、パリでも珍しい物件でした。何年か後に友達が出ることになったので、通常の1名契約に切り替えて住んでいます」 仕切りなどは入居当時のままで、自分と子どもたちだけになったことを機に大改装をしたそう。フランスでは、賃貸物件でも引越す時に元に戻せば自由に壁に色を塗ったり、壁紙を張ったりしてもいいというのもお国柄。パリではありがちな光のあまり入らないアパルトマンを、建築家の専門知識を活かして明るい雰囲気に仕上げました。