愛猫の「お願い」が分からない…! もし猫語が理解できたら?
何か言いたげな愛猫
漫画家の迷子さんによる描き下ろしエッセイ。 たまに、何か言いたげに飼い主をじっ……と見てくる愛猫。何をお願いしたいのか理解ができないのですが……。理解できても、叶えてあげられるかどうかは別のようです。 【マンガ】愛猫の要望とは…? 本編を読む * * * 猫が何か訴えてきている。 うちの猫は概して私にあまり興味がないが、まれに何かを訴えてくることがある。ソファでくつろいでいるとき、疲れて倒れているとき、忙しく料理をしているとき、それは予期なくやってくる。すぐ足元からじっと見つめてくるのだ。 ごはんが空なのか? トイレが汚いのか? 遊びたいのか? 散歩に行きたいのか? 寒いのか暑いのか? ひとつずつ確認して回るものの、どれもご満足いただけた様子ではない。悲しい。こちらを観察している風でもないし、なにか用事がありそうなのだ。猫からの要求があるというのに理解ができず応えられないなんて、あってはならないことだ。一瞬「ニャウリンガル」の購入が頭をよぎるが、そもそも鳴かないうちの猫では、自分が鳴き真似をしてわははと笑って遊んで終わりになるのが目に見えている。却下だ。 他生物との意思疎通は人類の夢のひとつだと思う。牛も豚も鶏も食べられなくなるのでは…という懸念は置いておいて、動物の考えていることが分かればいいなーとはペットを飼っているものならば考えたことがあるのではないだろうか。具合が悪そうなときなんか、きっと便利だろう。イルカや鯨なんかは、人類が知り得ない何か重大なことを知っていそうな雰囲気がぷんぷんする。生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答えを探して奔走している隣人もいるかもしれない。 しかし、もしも猫の訴えの内容が「夏が嫌だから秋にして」とかだったら、私は一体どうすれば。 猫の望み全てを叶えられる全能の力がないうちは、視線の訴えに右往左往しているほうがいいのかもしれない。
迷子