50代からの老後資金プラン。60代になると減る支出、増える支出は?
年齢を重ねるにつれ、考えておきたいのが老後の資金計画。年金生活を前にどんな備えをすればいい? みんなの不安をファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんに聞いてみました。
老後の家計、働けるうちは収入を増やしておく
老後の家計は、今の家計から予想することができます。年金に対して赤字になりそうな人は、ちょこちょこバイトが効果的。貯蓄の目減りが防げて、老後の暮らしが安定します。
●年金生活の赤字を補てんするちょこちょこ働きがおすすめ
年金生活では、普段の生活費を年金の範囲に収めるのが鉄則。 「将来の年金生活を予想して赤字になりそうなら、元気なうちはバイトなどで働いて補てんしましょう。月3万円の収入でも、10年間で360万円も貯蓄の取り崩しが防げます」 また、パートの人は今から社会保険に入って働いて、年金額を増やしておくのも◎。 パートでも条件を満たせば社会保険に加入できる ・被保険者(短時間労働者を除く)の総数が常時500人を超える事業所(2022年〈令和4年〉10月から「100人を超える」、2024年〈令和6年〉10月から「50人を超える」)、または、労使合意に基づき短時間労働者を健保・厚生年金の対象とする申し出をした事業所に勤めていること ・週の所定労働時間が20時間以上であること ・雇用期間が1年以上見込まれること(2022年〈令和4年〉10月から「2か月以上」に) ・賃金の月額が8万8000円以上であること ・学生でないこと 「上の表のように2022年10月からは、厚生年金の加入条件が緩和されて入りやすくなります」
現役世代と年金世代で減るもの・増えるもの
老後は子どもが独立して教育費が減り、家族の人数が減って食費もダウン。 「ただ、食費は健康のために少し高めの食材を買ったりするので減り幅は少なめ。逆に、医療費は増える傾向に」 今の自分の家計から老後の家計を予想して、年金に収まりそうかチェックを。
●年金生活で家計はどう変わる?
55~59歳/月の平均支出321,695円 ・住居費16,083円 ・食費82,138円(1) ・外食費11,104円(1) ・水道光熱費23,128円 ・通信費17,860円 ・教育費27,263円(2) ・医療費13,939円(3) 65~69歳/月の平均支出274,798円 ・住居費16,216円(1) (1)食費・外食費はダウン ・食費77,893円(1) ・外食費6,810円(1) ・水道光熱費22,195円 ・通信費12,088円 ・教育費1,986円(2) (2)教育費はダウン ・医療費17,281円(3) (3)医療費はアップ 出典:2020年総務省「家計調査報告書」より作成 老後の暮らしにどのくらいの資金が必要かは、どんな暮らしをしたいかによっても大きく変わります。おおよその予測を立てて、将来設計を思い描いてみることから始めてみましょう。 5月24日には、『これからの暮らしby ESSE vol.2』が発売。「50歳からはお金を貯めて一生楽しく暮らす」特集など、これからの暮らしに役立つ情報が満載。ぜひチェックしてみてくださいね。
ESSE編集部