【ハイキュー‼×SVリーグ】広島サンダーズのフェリペ・モレイラ・ロケは日向翔陽に勇気をもらい、ブラジル代表でも活躍
――来日の目標は、やはり優勝ですか? そう訊ねると、フェリペは明るく笑みを洩らしながら答えた。 「もちろん! 今は優勝するためにハードワークしていますよ。アタック、ブロック、サーブという持ち味を出したいですね。ただ、日本はディフェンス力がものすごく高い。ブロックもすばらしく、"本当にボールが落ちない"という難しさがあるから、そこでどう戦っていくか。自分は機敏に動けるわけではないけど、前に落ちてくるボールはしっかり上げて繋がないといけない。ディフェンスの質も高めていきます」 できないことに何度も何度も挑み、やがて克服することこそ、フェリペのバレー人生だ。 【フェリペ・モレイラ・ロケが語る『ハイキュー!!』の魅力】 ――作品の魅力とは? 「自分の体験と重なる点ですかね。たとえば、強い相手とどう戦うかなど。それに、(ブラジル)代表に入って、上のレベルの選手と一緒になった時にどう自分を表現するのかとか......いろんな場面が重なりました。とにかくリアル。ブラジルでも、バレーボール関係者の間では人気ですよ」 ――共感、学んだことは? 「日向が『もう一回!!』って言うシーンは好きですね。自分も練習でできなかった時、もう一回、もう一回とトライしてきたので。できるまでやるというのは共感できます」 ――印象に残った名言は? 「さっきの『もう一回!!』というセリフも好きですけど、作品のなかで『頑張ってみよう』というシーンが何度もあるのもいいですね。同じ練習の繰り返しだったり、大きなチャレンジに向けて疲れている時だったり、自分をあらためて奮い立たせる日本語だなと思い、覚えました」
――好きなキャラクター、ベスト3は? 「1位が日向で、2位は牛島(若利)。牛島は同じポジションで、同じレフティで、シリアスで強い男の感じがいいですね(笑)。3位はセッターの影山(飛雄)。本当にスマートな選手ですね。セッターは特別なポジション。オポジットの自分は、試合でボールにタッチする回数は50回くらいですが、セッターは毎回のようにトスがあるからその2、3倍。頭を使うポジションですが、影山はいいセッターです」 ――ベストゲームは? 「烏野vs白鳥沢学園ですね。烏野目線で、牛島と対決する視点で読みました(笑)。強い相手とどう戦うか、リードされた状況でどう振る舞うか。たとえば自分たち(広島)も、王者のサントリーが相手だと、ドミトリー・ムセルスキーという大砲がいるので、そんな力のある選手にどう対応するかを常に考えながらプレーする。烏野の選手たちのような気分です(笑)」 (連載16:広島サンダーズの川口柊人は音駒のクロの教えも参考に「積極的に」プレーする>>) 【プロフィール】 フェリペ・モレイラ・ロケ 所属:広島サンダーズ 1997年5月19日生まれ、ブラジル出身。212cm・オポジット。15歳からバレーボールを始める。ブラジルで7チームを渡り歩き、ブラジル代表としては2019年にワールドカップ、2022年には世界選手権での金メダル獲得に貢献した。2024年5月、広島サンダーズへの入団が発表された。
小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki