<種崎敦美>「ダイの大冒険」ダイ役の葛藤 “仲間”に助けられ
苦しい時期に、手を差し伸べてくれたのが、ポップ役の声優の豊永利行さんだった。
「豊永さんは、私の葛藤を全部感じ取ってくださっていたんです。『最近、最初とは違うんじゃない?』『大丈夫ですか?』と声をかけていただきました。こういう状況(新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、最少人数でアフレコしている状況)なので、皆さんと作品についてがっつりお話しする機会がなかなかありませんでした。豊永さんは『でも、話しましょう!』と言ってくださった。私の心の中、作品への思い、演技などについて話し合うことができました。監督には、原作と今回のアニメの違いなど細かいところを全部質問しました。そのことが大きくて、作品にしっかり向き合っていけるようになったんです。体に力が入りすぎていたんでしょうね。いい意味で現場になれてきました。放送が終わるまで、プレッシャーはあると思いますが」
ポップは、ダイの大切な仲間だ。種崎さんも豊永さんという“仲間”に助けられた。
「そうなんです。仲間ですよね。プレッシャー、違和感をなるべく出さないようにしていたので、びっくりしました。掛け合っていると分かってしまうんですね……。豊永さんは『ダイが悩んでいる時、何とかするのがポップだよ!』と言ってくださった。リアル『ダイの大冒険』です。こんなにすごい仲間と冒険できることが、うれしいです」
◇「アバンストラッシュ!」に信じられない!
ダイを演じる中で大切にしているのは“仲間”とキャラクターを作っていくことだ。
「この作品に限った話ではありませんが、キャラクターは自分だけで作られていくものではありません。周りの人がいて、キャラクターが作られていきます。『ダイの大冒険』の原作は完結していますし、計画を立てて芝居をしないといけません。ほかのキャストの方との演技と融合させて、よりよいものにしないといけません。……と頑張っていたんですけど、普段と同じことをやっているつもりでも、気負いがあって、普段のようにできなくなってしまったかもしれません。そうなんですよね……。やっぱり、周りの方々を大切にしています」