鳥肌!号泣!大逆転!近藤誠一、“神の左手”でオーラス倍満ツモ「すごいものを見た」とファンも感動の嵐/麻雀・Mリーグ
麻雀の神がその左手に乗り移ったかのような奇跡的なシーンに、誰もが感動と興奮を抑えることができなかった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2020」3月4日の第2試合で、セガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)がオーラスの倍満ツモでラス目から大逆転。セミファイナルシリーズ進出に望みをつなぐ劇的な勝利を挙げた。 【動画】近藤誠一、9万6300点相当の大逆転ツモ(3時間52分ごろ~) この試合の対局者は近藤、赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)、U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)の並びでスタートした。第1試合で見せ場を作りながらも2着となった近藤は、「誠一さんで負けるなら仕方ない」とチームメイトから背中を押されて連投で出場。チームの大黒柱として、試合前の時点で最下位のセガサミーフェニックスをセミファイナルへと導く大役を任された。 もちろん、気迫や思いだけで勝つことができるほど麻雀という競技は甘くない。オーラス1本場を迎えた時点で、近藤は1万4500点持ちのラス目。第1試合と同様に苦しい展開の中でなんとか踏みとどまっていたものの、トップ目の園田や2着目の小林には跳満ツモでも届かない点差と、現実的には3着浮上が精いっぱいという状況だった。 南4局1本場、トップ条件の倍満を狙えそうな配牌では決してなかったが、細い糸を手繰るように手を育てていった近藤。9巡目にこぎ着けたテンパイは、高目の七万の一発ツモに裏ドラが乗れば倍満となる形だった。実況の日吉辰哉(連盟)は「メン・タン・ピン・一発・ツモ・一盃口・赤・裏で倍満ですよ」と大逆転の可能性に言及したものの、条件が非常に厳しい以上、ダマテンでタンヤオ・平和・赤の3900点をアガり3着浮上で妥協する選択も考えられる場面。しかし近藤は約50秒の長考の末、意を決してリーチを宣言した。 迎えた次巡、Mリーグ唯一のサウスポー・近藤の左手に神が宿る。望み通りの七万を一発で引き当てると、震える手で開いた裏ドラ表示牌は手牌の6筒を宝石へと変える赤5筒だった。リーチ・一発・ツモ・タンヤオ・平和・一盃口・赤・裏ドラの1万6000点(+300点)で逆転が決まると、日吉は「信じられないだろこんなの!あり得るのかよ、こんなことが!トップですよ!?」と喉が枯れんばかりに絶叫。Mリーグの歴史に刻まれる大逆転の瞬間を目にしたファンからも、「すごいものを見た」「カッコよすぎる!」「鳥肌がやばい」「史上最高回」「麻雀見てて初めて泣いた」といったコメントが殺到した。 ラスからトップへの順位点も含めると、9万6300点相当の価値がある倍満ツモだけに、終局と同時に思わず感極まったような表情を見せた近藤。インタビューでは「3日くらいは興奮しそうですね」と大逆転の余韻に浸りつつ、裏ドラの有無で64ポイント(6万4000点)の違いがあったことに触れて「一世一代のめくりでした」と力の入った所作を茶目っ気たっぷりに振り返った。 土壇場での連投策が実り、セミファイナル進出のボーダーラインまで30ポイントを切る7位に浮上したセガサミーフェニックス。どれだけ絶望的な状況に追い込まれても、最後まで決して勝負を諦めない戦いぶりは、まさにチームのモチーフとなった不死鳥そのものだ。レギュラーシーズンは残り4試合となったが、近藤が起こした奇跡の先には、まだまだ無限の可能性が残されている。 【第2試合結果】 1着 セガサミーフェニックス・近藤誠一(最高位戦)3万800点/+50.8 2着 赤坂ドリブンズ・園田賢(最高位戦)3万500点/+10.5 3着 U-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)2万5200点/▲14.8 4着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・前原雄大(連盟)1万3500点/▲46.5 【3月4日終了時点での成績】 1位 渋谷ABEMAS +518.6(84/90) 2位 KADOKAWAサクラナイツ +317.2(84/90) 3位 EX風林火山 ▲25.9(84/90) 4位 赤坂ドリブンズ ▲87.7(86/90) 5位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ▲115.0(86/90) 6位 TEAM雷電 ▲178.2(84/90) 7位 セガサミーフェニックス ▲205.0(86/90) 8位 U-NEXT Pirates ▲224.0(86/90) ※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会 ◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。 (ABEMA/麻雀チャンネルより)