夢より現実?なぜプロ野球若手は引退後に「高校野球監督」でなく「一般就職」を希望するのか?
「元プロ野球選手という肩書き、人脈だけに食いつく企業もあります。そういう部分を見極める必要もあります。僕らのようなマッチング業者が必要な理由は、そこですが、年収は400万円から500万円もあれば非常に恵まれている方だという認識を選手側も持つ必要があります。大手がいいのか、ベンチャーがいいのか。或いは給与優先なのか、仕事の中身優先なのか。安易に決めて転職を繰り返すというサードキャリアの問題も現実問題として発生しています。ただ、私個人としては、いつまでも野球にしがみつき不安定な生活を送るよりも野球には見切りをつけて一般就職で人生を再スタートするという方向性が正解だと考えています」 川口さんは、そう熱弁した。 プロ野球選手会も独自にセカンドキャリアの問題に取り組み、2014年から引退後のセカンドキャリアをサポートする「イーキャリアNEXTFIELD」をスタート。現在、約900社の企業が登録されているという。また国学院大とのタッグで、引退後に教員やスポーツ指導者となるための資格獲得を援助するプロジェクトも始まったが、これらも順調には機能していないのが実情。セカンドキャリア問題については、NPBと選手会が手を組み、川口さんら民間の英知をも結集して、“やっています”の形だけを装うのではなく、実働性の高い組織を立ち上げておくべきではないだろうか?