“風邪”がインフルエンザやコロナと同じ「5類感染症」に 25年4月から 受診時の負担は増えるの?
寒くなってきて、風邪をひいているという方もいるのではないでしょうか。2025年度から、その“風邪”がインフルエンザやコロナと同じ「5類感染症」に分類されます。これによって、どう変わるのでしょうか。 【動画でみる】“風邪”が5類感染症に、暮らしに影響は? 名古屋大病院救急科長に聞く 2023年5月、新型コロナが感染症の分類で「2類」から「5類」に移行しました。 これによりインフルエンザなどと同じ扱いになり、新型コロナの受診やワクチンも自己負担になりました。 この「5類」に2025年4月から、誰もが一度はかかったことがあるでしょう、あの病気が加わることになりました。 それは「風邪」。 なぜ風邪を5類に加えるのでしょうか。厚生労働省は風邪の発生状況を把握することで、新たな呼吸器感染症の早期検知対応を目指すとしています。 風邪が5類に加わることで、私たちの生活に影響はあるのでしょうか? 名古屋大学医学部付属病院の山本尚範救急科長に聞きました。 「風邪というのは、医学的に言うと『風邪症候群』。鼻水が出てきたり、のどが痛くなったり、空気の通り道の上の方で炎症が起きたものを主に風邪と呼びます」(山本さん)
新型コロナのパンデミックが背景に
風邪は数百種類のウイルス・細菌が原因とされていて、私たちが風邪と呼んでいる症状は、現在の感染症法では位置付けされていません。 それが5類に分類される背景には、全世界を苦しめた新型コロナが関係していました。 「パンデミックが皆さんを苦しめましたが、中国・武漢で最初は『謎の肺炎が出ている』と報道された。この肺炎が何なのかと中国の科学者たちが調べていくと、これまでにないコロナウイルスだった。これは世界に知らせないといけないと遺伝子をすぐに調べた。それが公開されたおかげですぐにワクチンの準備に入れた」 「これがもし日本で起きた時、ああいう動き方ができたかという心配はあった。未知の感染症が出てきたときに、いち早く見つけて次のパンデミックを防ぐというのが、今回風邪を感染症に入れた背景にある。WHO(世界保健機関)が急性呼吸器感染症の調査は次のパンデミックにつながり得るので、世界各国で調べてくださいと呼びかけている。その要請に日本政府も応えることになった」(山本さん)