「政権、追い込まれる可能性ある」政治ジャーナリスト角谷浩一氏
今週のラジオ日本「細川珠生のモーニングトーク」は、2020年最後の放送。政治ジャーナリストの角谷浩一氏を招き、同じく政治ジャーナリストの細川珠生氏が、今年一年を振り返った。 細川氏は、安倍政権から菅政権へ、政権の主は変わったが、この一年のコロナ対応をどう見るか、角谷氏に聞いた。 角谷氏は、「日本流のやり方は、泥沼式の行き当たりばったり」と評し、「上半期は成功していたが後半はグダグダになった」と述べ、菅政権になってからのコロナ対策は評価しないとの考えを示した。 その元凶と言われているのが、GoToトラベルキャンペーンだ。「(コロナが)落ち着いてから、と言いながら、前倒しで始めてしまい、殆ど関係がなかった県にもどんどん増え始めている。『GoToのせいかどうかの検証はできない』と政府は言う。だが、GoToの『どこでも行っていい』という政府のお墨付きにより、国民は自由に移動している。一方で自治体の首長は『不要不急の外出はやめてくれ』と言っている。この矛盾に対して国民が大混乱になっているということは間違いない」と強調した。 それに対し細川氏が、「日本政府は学習してきていないということなのか」と尋ねると、角谷氏は「そう感じる」と答えた。 「ヨーロッパの場合はクリスマスで経済を回すために11月我慢しようということでロックダウンさせたところは各国あったが、成功したのはイギリスぐらい。フランスもドイツもあまり芳しくなくて延長が続いている。アメリカは、トランプ氏の間違った方針があったので、例にする必要はない」と各国の対応を挙げ、そのうえで、 「日本は慎重だったが、こんなことを繰り返したらお金がいくらあっても足りないと思って、今度は緊急事態もできないし、支援策も後手後手だった」。そんな中で、幾つかの問題を指摘した。 「(日本は)年配になればなるほど病院で過ごす人達が増えてくることを想定した医療制度になっている」とし、「これは日本の医療制度の弱点でもある」との見方を示した。 また、「若い人達は、お金がかかったり、不安だからという理由で病院に行かない。特にコロナだということがバレたらクビになってしまうかもしれないから隠そうという、間違った動きまで出始めた」と問題視した。 角谷氏はそこから、二つの教訓を思い出すとした。 「阪神淡路大震災の時には村山政権だったが、こういう時には司令塔が大事だと、小里貞利地震担当大臣を置いた。一方で、民主党政権の菅内閣の時は、政務三役が官僚よりもものを決めることにした為に、情報が上がってこず、情報過疎になった」。 この二つの教訓をどちらも今の政権は活かしていない、と角谷氏は指摘した。