「表現の不自由展」中止問題 津田大介氏が会見(全文2)政治家の圧力が原因ではない
愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で芸術監督を務めるジャーナリストの津田大介氏が2日午後、日本外国特派員協会(東京・千代田区)で記者会見を開いた。 【動画】「表現の不自由展」中止問題 芸術監督の津田大介氏が会見(2019年9月2日) ※【**** 00:35:30】などと記した部分は、判別できなかった箇所ですので、ご了承ください。タイムレコードは「「表現の不自由展」中止問題 芸術監督の津田大介氏が会見(2019年9月2日)」に対応しております。 ◇ ◇
職員やボランティア、スタッフの疲弊が一番大きかった
津田:中止の理由です。まず1つ、一番大きかったのは、この電話抗議で電話回線があふれて、本来は担当しない職員も全てその電話応対に追われなければ、1日中追われなければいけないという状況がありました。実際に電話を受けていた職員たちにヒアリングをしましたけれども、もう8月2日の朝には、もう限界ですというような声が出てきました。非常にその意味では、1つ目の理由として大きかったのは、この職員やボランティア、あるいはスタッフの疲弊ということが挙げられます。 職員同士の中でも温度差があって、そういったことでどんどん不協和音が組織の中で大きくなっていきました。朝から晩まで電話が鳴り続け、そしてまた現場に抗議に来る方も含めて、さまざまな職員が対応に追われたことで、現実的に組織の機能が一時停止状態になりました。この報告を下、現場から受けていた知事が円滑、安全な運営の担保ができない、僕自身も現場をこの3日間見ていて、このままではとにかく円滑、安全な運営の担保ができないと思いました。 それに加えてもう1つ大きかったのは、2日の朝に来た、このガソリンテロ予告のFAXです。当然すぐに警察を呼んで捜査をお願いしてたんですけれども、実際に来た警察官の方が、これでは発信先は分からないねということで、ほとんど捜査がそこから進むことがなかったということもありました。3日の時点ですぐ逮捕するということが見込めない状況でもありました。 この時点で残りトリエンナーレ、70日以上あったということ、このことも非常に大きな要素でした。その中で知事から中止の提案があったことを僕が了解したという経緯です。この一連の騒動について幾つか、さまざまな論点でさまざまな論者の方がこの問題を論じています。皆さんが、質問されたい方もそういったこともあるので、まず大きく論点を紹介したいと思います。