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え!明智光秀ってそんな感じだったの!?|13歳のきみと、戦国時代の「戦」の話をしよう

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房野史典〔ブロードキャスト!!〕 NHK大河ドラマの「麒麟がくる」と、房野さんのこの連載で、すっかり明智光秀LOVEになってしまった人って多いのではないでしょうか。明智光秀のイメージ、今まで知ってたのと、ずいぶん違います。 と同時に、信長のイメージも、思ってたのとずいぶん違うんですよね…!そして、前より、好きになってしまっている! ということで、今回から4回にわたって、信長と光秀の”本当の姿とは!?”についてです。 教えて!『超現代語訳 戦国時代』の房野史典先生!*   *   *

え! 光秀ってそんな感じだったの!? 織田信長と明智光秀 パート1  では、『本能寺の変』の続き。 って感じなので、おさらいっぽいのやっときますか。 『本能寺の変』ってね、明智光秀の動機がわかってないの。 ↓ てか、動機の前に、光秀と信長ってどんな人だったの? ↓ そこがわかんないと話進まないよね。   ということで、これまで伝えられてきた織田信長と明智光秀のイメージに、ガサッ! とスコップをつっこみ、なるべくリアルな2人をほじくり出してみましょう。 それじゃまず、明智光秀さんからいってみます。   光秀さんは、「生真面目で保守的」というイメージのほかに、 「上司(信長)を裏切った、ただただ悪ぃーやつ」 という”極悪人”のレッテルを、ここ何百年ずっとはられております(そう思ってる人もいるかな)。 だから、イメージとレッテルをドッキングさせると、 「真面目をこじらせパンクして、最後にはとんでもない罪を犯した大犯罪者」 てなことになるでしょうか。 謀反やっちゃったことは事実。悪く言う人がいるのもうなずけます。 ただ、 性格と罪だけを「めしあがってください」と言われても、"光秀がどんな武将だったか"の味がまったくしません。 なので、ここでは”光秀の仕事っぷり"と"織田家でのポジション"をざっくりと説明してみるので、そこから明智光秀という武将を見つめてみてください。   では最初。光秀が信長の家臣になるまでのプロフィールをご紹介しておきましょう。 謎。 終了。 ごめんなさい、光秀の前半生の紹介はどうしたってこうなっちゃうんです。 美濃国で生まれたらしいんだけど、生まれた年も両親の名前も諸説あり(亡くなったとき、55歳 or 67歳の説があります。幅がエグい)。 青年期のプロフィールも 「美濃の斎藤や越前の朝倉といった大名に仕えた……たぶん」 といった感じで、経歴のほとんどに 「~と考えられている」「~と言われている」 という文章がつきまとうほど、彼の人生謎に包まれてるんですね。 ただ、 足利義昭 からの 織田信長 に出会ってからは、光秀の輪郭がちょっとずつハッキリしてきます。 『長篠の戦い』シリーズにもチラッと出てきた足利義昭さんは、室町第13代将軍・足利義輝って人の弟。興福寺ってとこでお坊さんをやっとりました。 ところが、義輝お兄ちゃんが家臣に暗殺されるというハプニングがおこると、 「次の将軍にオレはなる!」 ってことを言い出し、 「誰か、この義昭に敵対するやつらを蹴散らし、京都に連れて行ってくれ!」 と、自分のことを将軍に据えてくれる大名を探し始めたんですね。 いろんな大名に声をかける義昭。でも、みんな自分のことで手一杯。やがて、朝倉さんを頼りに越前国にやってくるのですが、光秀はそこで義昭の家臣になるんです。 早く将軍になりたい義昭だけど、この朝倉さんも「そうだ、京都行こう」となかなか言い出しません。 ヤキモキする義昭に、光秀は言います。 「義景(朝倉)は頼りになりません! でも、信長は頼りがいのある人です!」   これは、光秀が、信長の奥さん・濃姫(帰蝶)と従兄妹、もしくはなんらかの血のつながりがあった(可能性がある)ので、信長がどんな人間か知っていたから(と、言われてます)。 そこから、義昭と信長の間を取り持つことになった光秀は、そのまま信長にも仕えるようになり、義昭と信長、2人の上司を持つことになったのでした(のちに、信長の専属家臣になります)。 さて、信長に仕えるようになった光秀さん。その働きがもうとんでもありません。 目を見張るものがありすぎてドライアイになりそうな活躍のオンパレード。 すでにご紹介したように、比叡山を攻めるときに活躍したり、 信長が京都に入れば、そこの行政や訴訟を任されたり、 丹波(京都や兵庫あたり)という、攻め落とすのが激ムズな国の攻略を担当したり……してる途中にも、本願寺や毛利といった敵と戦ったりと、 「あなたそれ、織田家の重要なプロジェクトには”ほぼ全部参加"してません?」 というミラクルハードワークを抱えこみ、「よく倒れなかったな……」という過密スケジュールをこなしていくんですね(いや、実際は本願寺を攻めてるとき病気になって倒れてます。やぱオーバーワークだった)。 戦闘も内政もできちゃう光秀。 会社でいったら、営業も総務も法務も経理もやれちゃう的な、 RPGでいったら、打撃も攻撃魔法も回復魔法もいけちゃう的な、 恋愛でいったら、美魔女に腐女子に港区女子、非モテ、こじらせ、リケジョに歴女、森ガール山ガール、海、川、大地、果てない草原……もう地球から愛されちゃってる的な、 とにかく光秀のオールマイティー感たらハンパありません。 あるとき信長がですね、古株の家臣の佐久間さんて人に、 「テメェは全然がんばってねーな……今まで何やってたんだ!!!!!」 と、史上最大のブチギレを手紙にこめて送りつけたことがあったんです(「佐久間信盛折檻状」っていって、積もりに積もった怒りを19ヶ条にわけて書いた、キレすぎて筆が止まらなかったお手紙)。 その中の一文に、 「丹波国での光秀の働きはすごかったぞ!! 世間の評判も上がりっぱなしだ! 秀吉だって数ヶ国にわたってなぁ……(なんたらかんたら)、池田も……(どうたらこうたら)」 と、佐久間さん以外の家臣を褒めたあと、 「おまえもコイツら見習って『よし、やるぞ!』ってなれよ!!」 と、キレてるパートがあるんですが、お気づきになったでしょうか? 一発目に褒められてるの、光秀なんです。 信長の中で、 「ここ最近一番すごかったのは……」 と思い返してみて、一番印象にあったのが光秀だったってことですよね。 ええ、もちろんです。もちろんそんな光秀ですから、出世のスピードもえげつない。 信長の家臣で出世といえば豊臣秀吉のイメージですが、信長から領地を任されたのは光秀の方が先。 トントントーン! と出世の階段を駆け上がった明智くんは、織田家の重臣になり、近畿方面の支配を任されるまでになるんです。 現代で言ったら、中途で入った社員が、瞬く間に本社の幹部役員と近畿地方の支社長に上り詰めた。と言ったら、そのすごさをわかってもらえるでしょうか。 というわけで、まとめると…… 重要な仕事をあれもこれも任されるほど信長からの信頼が超ぶ厚く、織田家(信長)にとってなくてはならないオールマイティーキャラ。それが、 明智光秀です。 いかがでしょう。 光秀になにか先入観を持ってた人は、少しイメージが変わったんじゃないでしょうか。 極悪とか保守的のベールに包まれてたその中身は、驚くほどの超優秀武将だったんですね。   では続きまして、ホントの織田信長さんを探っていきましょう。   と、いうのは次回です! ■房野史典〔ブロードキャスト!!〕 1980年岡山県生まれ。名古屋学院大学卒業。お笑いコンビ「ブロードキャスト!!」のツッコミ担当。 無類の戦国武将好きで、歴史好き芸人ユニット「ロクモンジャー」を結成し、歴史活動にも意欲的。 子供たちに歴史の面白さを教える授業も好評。初の著書『笑って泣いてドラマチックに学ぶ 超現代語訳 戦国時代』で、ブレイク! 戦国に始まり、『笑えて、泣けて、するする頭に入る 超現代語訳 幕末物語』『時空を超えて面白い! 戦国武将の超絶カッコいい話』など著書あり。

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