年金をずっと払っておらず、将来は「生活保護」を考えています。保険料などを払っていなくても受けられるのでしょうか?
ずっと国民年金保険料が未納の状態であれば、年金の受給資格を得られません。そのような人は老後に困窮する可能性があるため、将来は生活保護を申し込みたいと考えている場合もあるでしょう。しかし、保険料を滞納している状況では、制度の対象外になりそうだと不安に思うかもしれません。 そこで本記事では、年金保険料などの未納者が生活保護を受けられるのか解説します。
未納者は制度の対象外なのか?
生活保護は年金とは無関係の制度であり、年金保険料を払っていなくても対象になります。住民税などの税金も同様で、納付していないことが原因で対象外になることはありません。 このように他の制度と独立しているのは、生活保護のコンセプトを尊重するためです。健康に過ごせる文化的な最低限度の暮らしを保障し、自立の促進を目的として運用されています。つまり、経済的に苦しい人のセーフティネットでもあるため、上記のような国民年金保険料や税金の未納者でも対象になるというわけです。 後述の要件を満たしていれば、最低限度の暮らしに必要な金額のうち、本人の収入だけでは足りない分が支給されます。なお、この金額は厚生労働大臣が設けた基準で算出され、居住地の等級なども考慮される仕組みとなっています。
生活保護を受給できる要件は?
あらゆるものを活用しても、最低限度の暮らしを維持できない場合に生活保護の受給が可能です。ここでは具体的な要件を3つに分けて紹介します。 【要件1】資産がない 預貯金がある場合、そちらを切り崩して生活できるなら対象外です。株や不動産、貴金属などを保有している人は、それらを売って生活に充てなければなりません。こうした資産が残っていないことは重要な要件です。 【要件2】働く能力がない 病気やけがなどで働く能力がなく、収入を得られないことも要件の1つです。ただし、労働による収入がある人でも、その金額が少なすぎる場合は該当する可能性があります。 【要件3】他に利用できる手段がない 生活保護は最低限度の暮らしを維持するための最終手段です。したがって、他に利用できるサポート制度がないことも要件となっています。親族などの扶養義務者がいる場合は、原則としてそちらに援助を求めなければなりません。