交通違反の処理基準とは? 元警察官が解説する「その場で切符」と「注意するだけ」の違い
切符処理されないケースもある
いきなりパトカーからスピーカーで呼び止められたり、旗を持った警察官に停止を求められたりして「違反ですよ」と言われると、誰でも「やってしまった……」と焦るはず。 【画像25点】最新白バイを写真で解説「ホンダCB1300にヤマハFJR1300、BMWの電動スクーターまで!」 ところが、切符処理されるのを覚悟して免許証を差し出すと、警察官から「次は切符処理することになるから、以後気をつけて」と注意だけ受けて見逃してもらえたなんて経験はありませんか? 同じような違反をしていても、以前は切符処理されたけど今回は注意だけだった。その反対に前回は注意だけで見逃してくれたのに今回は切符処理されたといったケースもあるかと思います。 当記事では、「その場で切符処理する」「厳重注意だけで見逃す」のどちらかを警察官が選ぶにあたり、区別の基準があるのか?を解説します。
警察官は取り締まるとき「検挙基準」を満たしているかを判断する
警察官が交通違反を取り締まる上で重視しているのが「検挙基準」です。たとえば、制限速度50km/hの道路を51km/hで走行すれば違反になりますが、たった1km/hのオーバーで違反として取り締まるのはなかなかに酷ですよね。気持ちの問題だけでなく、車両のメーター誤差などの可能性もあります。 そこで、道路交通法をベースとして「ここからは違反として取り締まる」というボーダーラインを示しているのが検挙基準です。 もし、走っている最中にパトカーや白バイに停止を求められたけど「ちょっと出しすぎだよ」と注意されただけで見逃されたのなら、検挙基準に達していない可能性があります。 なお、検挙基準は機密で、どこでどう調べても正確な内容はわかりません。過去には正規の手続きで検挙基準を公開するよう求めた事例もありますが、結局は開示が認められませんでした。 なぜ秘密にしているのかというと、検挙基準を公開してしまえば「これくらいの違反なら大丈夫」という誤った意識が広まってしまうからというのが警察側の主張です。 たしかに、多くのドライバーがそんな意識でハンドルを握っている状態だと、道路交通法の意味も失われてしまうでしょう。都道府県によって基準が異なるので「どうもあの道路は15km/hオーバーから検挙するらしい」といった周辺のウワサ話などに頼るしかありません。