「戦争を二度と繰り返さない」年間50時間かけて平和学習 教師に受け継がれる資料 三重
メ~テレ(名古屋テレビ)
12月8日は太平洋戦争のきっかけとなった真珠湾攻撃が行われた日です。三重県尾鷲市には、戦争と平和について学び続ける小学生と教師がいます。 太平洋戦争の終戦から、今年で79年。 この日行われていたのは、尾鷲小学校の平和学習。訪れたのは空襲による戦死者が供養されている墓地です。 尾鷲小学校で26年前から行われてきた、この平和学習。小学6年生が年間50時間かけて尾鷲市で起きた戦争や歴史について調べます。 今年、平和学習を企画したのは尾鷲市出身の小笠原秀美さん(33)ら3人の教師です。 「すごくショックを受けていたというか、悲しい気持ちになったり、ちょっと胸が苦しくなったり、自分事、共感的に見ることができているなと」(尾鷲小学校 教師 小笠原秀美さん)
自らも学んだ平和学習を子どもたちに
太平洋戦争末期の1945年7月。尾鷲市では当時滞在していた海軍の部隊を狙った空襲があり、147人の死者が出たとされています。 尾鷲市内には、太平洋戦争の爪痕がいくつか残されています。 小笠原さんも尾鷲小学校の卒業生。自らも平和学習を通して、尾鷲市の戦争について知りました。 「まさか自分が普段見ている海や川に、戦争があったなんてということはドキッとした覚えがある。子どもたちにとって辛い現実かもしれないが、本当の悲しみや苦しみを共感的にわかってもらうためには、教師として子どもたちに伝えていきたい」(小笠原さん) 尾鷲小学校の平和学習では、学習してきたことが1冊の資料としてまとめられ、毎年平和学習を担当する教師に受け継がれてきました。 「初めて資料を見た時は、すごいの一言だった。そういう宝物を今年私が手にして、子どもたちに伝えなきゃと思った」(小笠原さん) 教頭の山本さんは、平和学習が始まった26年前にも尾鷲小学校に勤務していました。 「平和教育に関して僕たちは、教え子を戦争に送ったかつての教育の反省を知り、二度と戦火の中に子どもを送らないよう強い意志もあるので、平和学習は大事にしたい」(尾鷲小学校 山本浩蔵 教頭)