コロナ禍で本を読む人が増加、コミックスは『鬼滅の刃』以外でも書店の売上が前年上回る
書籍、雑誌などの取次販売事業を展開する日本出版販売は11月20日、2020年度 中間決算報告を発表した。日販の2020年度上半期(2020年4月1日~2020年9月30日)の売上高は1,942億5,100万円、前年比97.3%で53億8,800万円の減収となった。
商品別の売上高は前年比で、コミックスが89億9,500万円の増収(29.0%増)の一方で、書籍が43億2,800万円の減収(4.4%減)、雑誌が93億1,200万円の減収(14.9%減)、開発品は15億8,500万円の減収(11.4%減)。返品率は、書籍が31.4%(2.0pt減)、雑誌が46.8%(0.6pt減)、コミックスが21.1%(7.1pt減)、開発品が36.9%(1.7pt減)、合計で35.1%(3.1pt減)と大幅に改善。この返品率は2004年以来の低水準となっている。
2020年4月~9月の店頭売上(対象店舗:日販取引書店におけるPOS調査店)は、対前年102.3%。月ごとに見ると、緊急事態宣言が発令された4月を除き、すべての月で前年を超えている。
4月以降、休業店の影響もあり、客数は前年を下回っているが、客単価は大きく上回った。一方、営業継続店のみで見た場合には、客数は一時的に増加している。コロナ禍の中でライフスタイルや消費行動に変化が起き、本のニーズが高まったことがうかがえる。
コミックスの店頭売上は、5月以降、「鬼滅の刃」の影響を除いても前年を上回っており、ライフスタイルの変化で生まれた時間にコミックスを読む人が増えているようだ。ビジネス書も5月以降、店頭売上が好調で、テレワークが浸透し、在宅時間を活用した自学自習にビジネス書が活用されていることがうかがえる。
MONEYzine編集部[著]