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【特集】2018年の西日本豪雨を教訓に...ダム『事前放流』の課題は?脅威増す豪雨に備え“安全な運用”目指す

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MBSニュース

死者・行方不明者が240人以上に上った西日本豪雨から2年。近年、こうした集中豪雨や大型化した台風による被害が相次いでいます。そこで力を発揮するといわれるのがダムです。しかし、その水量が限界に近づくと、緊急的に大量の水を放流するため、洪水で死者が出た事例もありました。ダムを安全に運用するため、“先手を打つ”取り組みが始まっています。

西日本豪雨で行われたダムの最終手段『緊急放流』

2018年7月、岡山県や広島県などで甚大な被害をもたらした西日本豪雨。京都・嵐山では桂川から水が溢れだし、京都府や兵庫県など11府県で「大雨特別警報」が発表され、死者・行方不明者数は240人を超えました。

あの日、建設以来初となる緊急事態に直面したダムがありました。兵庫県川西市にある「一庫ダム」です。下流に位置する猪名川の洪水を防ぐなどの目的で、約638億円かけて1983年に完成しました。

豪雨前の2018年7月2日午前10時頃のダムにせき止められた貯水池の様子を見てみると、水位には余裕があるように見えます。

しかし、2018年7月6日午後5時頃の様子を見ると、水位が大幅に上昇しているのがわかります。大雨により大量の水がダムへと流れ込み、みるみるうちに水位が上昇したのです。万が一、ダムがあふれたら、その被害は計り知れません。 「もし仮に水がダムを越えてくるような事態になった場合、おそらく制御できない状態になるので、下流に流す水をコントロールできなくなる。住宅に被害が出てしまうので、そういったことは避けないといけないと思っています。」(一庫ダム管理所 齊藤光悦所長代理)

そこで行われたのが最終手段とされる『緊急放流』でした。緊急放流とは、大量の雨がダムに流入し続け、水位が限界に達する見通しになった場合、さらなる水位の上昇を避けるため、流入量とほぼ同じ量の放流を行う操作のことです。

一庫ダムの2018年7月の緊急放流時の映像を確認すると、茶色く濁った水が勢いよく吐き出されています。1秒間で最大332tもの水が下流へと流れていきました。

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