受験直前に朝型にするメリットは何もない 体調管理は大事だが、体調万全でも… 桜井信一の攻める中学受験
ボーダーラインやチャレンジ組は朝型に変えるメリットが何もない。そもそも大勝負の前夜は熟睡させることからはじめます。朝起きて試験場の近くまで来るともう受験生がいっぱい。ここで緊張しない子なんていません。眠気が来るはずない。
本番3日前は22時か23時に寝て、2日前も23時まで寝て、1日前だけ22時に寝たとしましょう。6時間ほど寝たらもう十分。「だって、うちの子は睡眠不足に弱いから……」という前に、学力が弱いんです。届いていないんです。ぐっすり寝ている場合じゃないんです。
それよりも、1問でも2問でも多く問題を解くこと。直前に問いた問題がもし出題されたらどうします? もうこれ受かってしまうかもしれませんよ。最後の1か月、最後の2週間で偏差値5くらいは吹っ飛ばしてしまうかもしれない。寝ている場合でしょうか?
そうですよね、普通は寝ません。中学生のお兄さんお姉さんがいるご家庭ならわかると思いますが、小6と1歳しか変わらない中学1年生が、定期テスト前は連続して徹夜したりします。テスト期間は3日とか4日とかありますから、朝まで勉強してそのまま覚えているうちにテストして、帰ってきてちょっと寝てからまた徹夜。こんなことをしています。
「定期テストが近いから朝型に変えよう」なんて言っている中高生はいません。確かに体調管理は重要です。でも体調万全で落ちてくるくらいなら、私なら攻めさせます。
ここで人生を変えて来いと――。
筆者紹介
桜井信一(さくらい・しんいち) 昭和43年生まれ。中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。進学塾では娘の下剋上は難しいと判断、一念発起して小5の勉強からやり直し、娘のために「親塾」を決意。最難関中学を二人三脚で目指した結果、自身も劇的に算数や国語ができるようになる。現在は中学受験ブログ「父娘の記念受験」を主宰、有料オンライン講義「下剋上受験塾」を配信中。著書に、テレビドラマ化されたベストセラー『下剋上受験』をはじめ、『桜井さん、うちの子受かりますか』、馬淵教室と共著の『下剋上算数』『下剋上算数難関編』などがある。