「小が大を喰うには相手の優越感を逆手にとって、“後の先”をとる」スコアを作るための考え方を語る【“甦る伝説”杉原輝雄の箴言集⑭】
心をはやらせない我慢もある
ーー「苦しい時に我慢するのは当たり前や。本当の我慢はチャンスが巡った時、心をはやらせない我慢なんや」 ボクは常に「飛ばんかてかめへん」と見切って、コース攻略法を考えています。練習ラウンドでのプレーを基にしてゲームのプランニングをたてます。 この意味では、ラウンドする相手は気にしてはいかんのです。球聖と謳われたボビー・ジョーンズさんが「パーおじさんを相手にするようになってから勝てるようになった」と言いましたが、コースとの戦いがストロークプレーの場合、基本線なんです。 自分の限界をわきまえて、効率のよい攻略法を練っていく。だから、人のことをあまりに意識してはあかんのです。どこかの章で書きましたが、「相手のミスを待つ、利用する」などとは本来なら考えてはいけないことです。 相手をあまりに意識すると、相手がミスをすると、「よしチャンス到来」と考えてしまんやね。そうなると、こちらがリキんで、リズムを崩してしまったりすることにもなりかねん。相手のミスにつきあってしまうことだってあるんです。 逆にいえば、こちらがチャンスと思った時には、相手にも息を吹きかえすチャンスができるというわけやね。チャンスがいったりきたりする状況にもなりかねんわけです。実はそこが我慢のしどころなんですよ。 ちょっとしたツキにも見放され、だんだんリズムも悪くなってくる。そんな苦しい状況で我慢するのはするのは、当たり前なんです。これは誰もがやってる我慢です。 それ以上に大切なんは、自分にチャンスがまわってきたと思う時に、はやる心をいかに抑えるか、我慢するか。ボクはこれが本当の我慢やと、自戒をこめてそう思います。 文/古川正則(ゴルフダイジェスト特別編集委員)
みんゴル取材班
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