日医工に業務停止命令検討 自主回収相次ぎ、1カ月前後
日医工が医薬品を相次いで自主回収している問題で、富山県は医薬品医療機器法に基づき、業務停止命令を出すことを検討している。25日、関係者への取材で分かった。処分は3月中になる見通しで、期間は1カ月前後とみられる。健康被害は確認されていないが、回収する品目数が多く、生産管理体制に問題があったと判断したようだ。業務停止命令は、処分の中では2番目に重い。 日医工は、富山第一工場(滑川市)で承認書に記載のない工程の実施や書類の欠落があったなどとして、2020年4月から21年1月にかけて延べ75品目の後発薬を自主回収した。 県によると、同社への調査は終了しておらず、結果がまとまり次第、処分を決める。行政処分は重い順に、許可取り消し、業務停止命令、改善命令の三つがある。 石黒雄一県厚生部長は「日医工とやり取りし、事実関係を確認している最中。現段階では何もコメントできない」と言う。 日医工は25日、ウェブサイトに「信頼回復に向けた企業努力を継続し、安心と信頼を届けるために取り組む」などとするコメントを出した。
■株価下落率 ワースト5に 日医工の株価は25日、前日比5・59%減となる61円安の1030円に下落し、同日の東証1部の銘柄を比較した値下がり率ランキングで5位となった。 県内証券関係者によると、同社の自主回収問題を巡る県の処分についての報道が悪材料となり、売り注文が相次いだとみられる。