50代独身、老後の住まいに地方の「1200万」のマンションを現金一括で購入しようか悩んでいます。どんな点に注意すべきですか?
老後の住まいとして地方のマンションの購入を検討する人が増えています。現金一括で購入しておけば、「いざとなっても住む場所がある」など、さまざまな不安が解消できると考えられているようです。とはいえ、実際にはそう簡単にはいかない点もあります。 本記事では、そのような決断をする際に、留意すべきポイントについて、特にメリットとデメリットを分かりやすく解説します。
地方のマンションは高齢者に向いているのか?
地方のマンションが高齢者に向いているか否かは、いくつかの要素により変わります。まず、地方都市は都市部に比べて人口密度が低く、生活リズムがゆったりとしていることが特徴です。 これは、高齢者が穏やかに過ごすには適しているといえます。また、地方のマンションは都市部と比較して物件価格が安いため、広さに比べて価格が安くなるというメリットがあります。 その一方で、マンションに限らず、地方の不動産物件は公共交通の便が不利なことも少なくありません。そうなると、移動手段として車が必要になる可能性が高くなります。自分で車を運転するにせよ、タクシーなどを利用するにせよ、この点は移動に関わる経済的負担・時間的制約が生じる可能性があるといえるでしょう。
地方のマンションを購入するメリット
地方のマンションを購入するメリットには、まず、老後の住居費を大幅に抑えることがあげられます。賃貸と比較して、分譲マンションは一度購入すれば、月々の家賃の支払いが不要となるため、居住年数によっては割安になるでしょう。また、じゅうぶんに管理しておけば、資産としての価値もあります。 さらに、地方のマンションは都市部のマンションに比べて価格が低いため、一括で購入するには経済的負担が軽いです。そもそも、分譲マンションは賃貸よりも設備が良かったり、自分の好みに改装できたりする自由度もあります。これらは、老後の生活を快適にする要素となるでしょう。
地方のマンションを購入するデメリット
地方であるか都市部であるかにかかわらず、マンションを購入することにはいくつかのデメリットがあります。まず、修繕積立金や管理費がかかる点です。これは物件の購入価格だけではなく、長期的に見てマンションを維持するための追加費用となります。 新築ではなく中古マンションを購入するのであれば、過去の管理状況や現在の状態には特に注意が必要です。地方物件のデメリットとしては、都市部に比べて売却が難しいことがあります。もし、マンションの売却を考えた場合、都市部に比べて需要が少ない地方では時間がかかるかもしれません。 国土交通省が公表している不動産価格指数によれば、マンション価格は全国でおおむね上昇傾向にありますが、戸建てを重視する傾向が高い地方では、価格の上昇は抑えられる可能性があります。 さらに、地方での生活という面では、これまでと環境が大きく変わることで、新たな生活を始める上での心理的な負担は増えるでしょう。地域によっては、都市部と比べると文化施設や娯楽施設の数が少なくなることも考えられるのです。
地方のマンション購入を検討する際には十分な下調べが重要
地方の安いマンションを購入することで老後の住居費を抑えられます。しかし、それに伴う修繕積立金や管理費などの維持費、移動手段として車が必要となる可能性など、見落としがちなポイントにも注意が必要です。 また、生活環境の大きな変化は心にも負担を与えますので、購入前には地方での生活を体験してみるなど、準備をしっかりとすることが重要といえるでしょう。 出典 国土交通省 不動産価格指数、住宅は前月比0.1%上昇、商業用は前期比1.3%下落 ~不動産価格指数(令和5年1月・令和4年第4四半期分)を公表~ 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部