「50歳をすぎて歌う『深夜高速』はヤバい。死ぬってことがよりリアリティを持って…」 フラワーカンパニーズの名曲はなぜここまで愛され続けているのか
10年ぶり、2度目の武道館という挑戦
今年9月14日、京都でのイベントに出演したフラカンは、2025年9月20日に、10年ぶり2度目の日本武道館ワンマンを行うことを発表した。 10年前頃、ライブハウスで活動を続けるベテランロックバンドが初の日本武道館に挑む、というトライアルが続いたときの仲間たち、怒髪天とピーズとの共演だったので、その場での発表を選んだそうだ。 「ちょっと前から、『武道館、もう1回やるのはどうだ?』っていう話は出ていて。でも『まあまあ』とか言ってお茶を濁してたんですけど、1年ぐらい前、グレート中心にメンバーでちゃんとその話し合いをする場を設けました。 そこで……僕と竹安(竹安堅一。ギタリスト)は、最初は『いやあ、無理じゃない?』とか言ってたんですけど。でも、年齢も年齢だし、年をとったらもっとできなくなるし、やるなら今なんじゃないの? っていう意見に、そうだなとも思って。 バンド自身もライブも、今いい状況だなという実感はあったし、ここでやらないと……この先バンドがいつまで続けられるかはわからない。 もちろん続けるつもりだけれど、もし誰かが体調を崩したら、とか何が起こるかわからないのもあって。やれるうちにやっておいた方がいいんじゃないの? っていう」 その挑戦に不安はないのか。 「10年前の最初の武道館のときみたいには、もちろんうまくいかないとは思ってます。それでも、やれるのは今じゃないか……っていう。 僕も竹安も『まあ、考えてみれば、そうだな』と。お客さんが全然入らなくてコケたとしても、まだなんとかなる体力も状況もある。やらないという選択はないかも、と。 そこから、ライブのスタッフとかにも相談して……そうは言っても、武道館って簡単に押さえられる会場じゃないので、取れるかどうか待ちましょう、ってなって、それからしばらく時間が経って、発表したほんとうにちょっと前に『2025年の9月20日が取れます、どうする?』っていうことになって。 もう1回メンバーで意思確認して、『よし、やろう』と。 1回目の時は、ソニーに所属していてレーベルスタッフの後押しもあったし、なにより先に武道館をやってくれた怒髪天とか、まわりのバンドやそのスタッフ、各地のイベンターさん、とにかくみんなの『やってほしい』という思いを感じていたから、やろうと決めたんですけど。今回は完全に4人で決めたから。そこが10年前とは違います。 まあ、楽しみというより、もう決めちゃったから、やるしかないですね(笑)」 取材・文/兵庫慎司 撮影/マスダレンゾ
集英社オンライン