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DeNAの新人・坂本裕哉に必要なもの /川口和久WEBコラム

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力は抜いてから入れる

 結果的には陰性でよかったが、巨人の坂本勇人、大城卓三が微陽性と診断され、選手、関係者全員がPCR検査を受けることになった。 セ・リーグ6球団 2020年最も期待できる新戦力は?  あれっと思ったのは、検査をしてない球団がかなりあるということ。ギャンブル系を除けば、プロスポ―ツの先陣を切るんだから、全員一斉に検査してから始めます、とやったほうがすっきりしたと思うけどね。  ガイドラインがまだ出てないのかもしれないけど、ベンチの首脳陣がマスクを着けたり着けなかったりバラバラなのも気になった。  どっちでもいいけど、一貫性はあったほうがいいんじゃないかな。スポーツなんだから。  いずれにせよ、6月19日開幕となればもう時間もない。  各チームとも開幕からの戦いを意識した選手起用になっているし、俺も久びさの解説がしっかりできるよう目の訓練、舌の訓練(?)を日々怠りなくやっている。  自分がサウスポーというのもあるが、練習試合で目が向くのは、やはり左腕の先発だ。まずは5日の巨人戦で好投したヤクルトの石川雅規。今年で40歳だが、無事これ名馬。よくやっている。  ただ、この選手の場合、年齢とともに球速が落ち、円熟してきた、というわけじゃない。  はっきり言えば、ずっと球は速くない。でも、工夫を重ね、ピッチングは球速や身長じゃない、ということを証明し続けている選手だ。頑張ってほしいね。  巨人ではメルセデスが間に合った。開幕カードの阪神戦に強いし、原辰徳監督も心強いだろうね。  左腕王国のDeNAでは6月4日の試合でドラフト2位の坂本裕哉が先発した。立命館から入った選手だが、近年のDeNAの新人補強は今永昇太、浜口遥大、東克樹ら左腕投手が軸となり、上位で取った選手が1年目から活躍している。ベンチの坂本への期待も大きいんじゃないかな(ただ、2年続かないことが多い。今年も右腕だが上茶谷大河が開幕に間に合わないようだが)。  真っすぐが147、8キロ出て、変化球も多彩と面白かったが、2回を1失点、5四球と安定しなかった。このままでは一軍の先発は難しいというのが感想だ。  ただ、あくまで「このままでは」。  ちょっとしたことで大化けする可能性もある。  では、どこを直せば、ということでは、読者の皆さんも石川、メルセデスと坂本の映像を見て比較して考えてみてほしい。  左腕はフォームが個性的な選手が多いので、違いはたくさんあると思うが、一番、はっきりしているのは坂本のフォームの硬さだ。  石川、メルセデスは一連の動作の中でスムーズで柔らかく体を使い、リリースポイントが分かりづらいフォームになっているが、坂本は動きが機械的で、振りかぶってからフィニッシュまで力を抜く感じがない。90パーセントがずっと続くと言えばいいのかな。  理想としては上半身、特に投げ手側に関しては1回20パーセントくらいまで脱力してから100パーセントを出してのフィニッシュに持って行ったほうが、打者はタイミングが取りづらいし、球の回転がよくなり、球威が増す。  抜いてから入れるリズムだね。  途中からセットになると逆に球威が上がったが、このときのポイントは軸足のヒザ。ワインドアップでは足を上げたときに一度、伸び切っていたが、セットは構えのときに少し緩んでいるから、そのままの流れでそこまで力が入っていない。  上半身もそう。坂本はテークバックのときからガッと力が入ってしまい、上体がスムーズに打者に向かっていかず、体重移動が終わる前に腕を振ってしまっていた。  ただ、これは周りがアドバイスすれば、すぐ直ると思う。  今は木塚敦志が投手コーチだから適任じゃないかな。ぜひ「気づか」せてやってほしいね。  一軍の外国人枠が増える可能性もあるようだが、そうなると打線にソト、ロペス、オースティンがそろうかもしれない。これに宮崎敏郎が入ってとなると、12球団屈指の破壊力だ。  ブルペンも頭数はいるから、悲願の優勝のポイントは間違いなく先発になる。坂本がそこに入ってきたら大きいが、さて、どうなるか。  

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