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コロナ禍、労働者の街は 大阪・釜ケ崎を歩く 「今日をしのぐ方が大事」 感染リスク周知に支援者苦慮

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 日本最大級の日雇い労働者の街として知られる大阪市西成区のあいりん地区(通称・釜ケ崎)。通りを歩くと、雑多な荷物に囲まれて段ボールで寝る路上生活者や、炊き出しに並ぶ中高年男性の列が目に入る。日本列島を襲う新型コロナウイルスは、例外なくこの街にも影を落とす。鼻をつく臭いが時に漂う衛生環境の悪さから、医療関係者は感染リスクを懸念するが、住民への予防周知は困難を極める。炊き出しが中止に追い込まれるなど、支援団体は対応に苦慮している。(共同通信=須賀達也)  ▽マスク姿まばら  「世間はコロナで騒いでいるけど、この街では今日をしのぐ方が大事」。政府による緊急事態宣言発令後の4月中旬、あいりん地区の一角にある公園にいた無職男性(64)はこう語った。  周辺でマスクを着ける人の姿は増えてきたものの、まだまばらだ。公園に集まり昼間から酒を飲む人たちもいる。男性は「(感染拡大は)正直に言うと実感ない。俺には関係ないよ」とあっけらかんとしていた。

 一方で、通りには「コロナウイルス(肺病)戦争だ。西成出サナイ、出ナイ」と書いた張り紙。誰かが集めた空き缶で作られた約3メートルのタワーの頂上には、人気アニメのキャラクター人形と共に「コロナくるな」と書かれた紙が掲げられていた。  ▽高い結核罹患率   同地区の関係者で4月末現在、感染確認が公表されたのは、「あいりん労働公共職業安定所」に勤務していた職員4人のみ。感染経路は不明だが、日常的に労働者への対応に当たっていたため、ある支援団体職員は「感染者が職安の職員だけとは考えづらい。既に地区全体にウイルスがまん延している可能性が大いにある」との見方を示す。  あいりん地区は約0・6平方キロメートルの面積に簡易宿泊所(ドヤ)が密集。高度経済成長期に集まった労働者が年齢を重ね、高齢化が進む。西成区によると、免疫力が低下した人も多く、全国的に見ても結核の罹患(りかん)率が高い。  地域医療を支える病院関係者は「防疫という概念に乏しく、感染症に無頓着な人が多い」と指摘。継続治療のため通院や入院を勧めても、断られるケースが珍しくないという。新型コロナは基礎疾患があると重症化しやすいため、深刻な事態になることを懸念する。

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