G大阪の失点61→35に激減…電撃移籍1年目でフルタイム出場、再建の立役者DF中谷進之介「覚悟を持ってやり続けた」
[12.8 J1第38節 G大阪 3-1 広島 パナスタ] ガンバ大阪DF中谷進之介は加入1年目の今季、J1リーグのフィールドプレーヤーで唯一となる全38試合・3420分間フルタイム出場を果たし、昨季16位だったチームの4位躍進を支えた。 【動画】アウェー中国戦の裏で起きていた珍事…日本代表FWがSNS上の声に反応「わざと」 最終節では今季のリーグ最多得点を叩き出したサンフレッチェ広島の攻撃陣をもほぼ封殺。「最後の最後でこの試合ができるんだったらという思いがまた強くなってしまった。夏場の失速も含めて後悔しても仕方ないけど、上に行くチャンスはあった」と9試合勝ちなしが続いたシーズン中盤戦の戦いぶりには悔いを残しながらも、「この試合をベースにして、もっとできるんだということを来年は見せたい」と手応えを口にした。 また中谷はこの日、後半36分に勝利を決定づけるチームの2点目を記録。MF鈴木徳真のFKをMFダワンが折り返したのに反応し、相手のクリアをブロックする形で押し込んだ。「持ってました、あれは。俺のところにボール来ないかなと思って、ダワンが競りそうな時に完全に来るというのがわかった。ごっつぁんゴールで決めさせてもらったけど、おまけがついてきてよかった」。今季リーグ戦4点目で、公式戦では6点目。21年の3点を大きく上回る堂々のキャリアハイとなった。 中谷は今季、5年半を過ごした名古屋を離れ、G大阪に加入。Jリーグを代表するCBの電撃移籍に大きな注目を集めた中、加入1年目のGK一森純とともに昨季リーグ最多タイ61失点の守備陣を再建し、今季はリーグで2番目に少ない35失点に激減させる仕事を果たした。 「名古屋から移籍する時に『なんで?』ということはすごく言われたし、ただ自分の中で何かを変えないといけないというところでしてきた移籍だった。決断自体に正解、不正解はないとは思うけど、『良い移籍をしたな』と思われるようにしたいなとは思っていた。覚悟を持ってやり続けたし、チームの上昇とともに感覚もすごくよかったので、決断できてよかったなと思います」。異なる環境でも確固たる実力を示したシーズンとなった。 最終ラインを統率するリーダーシップも含め、JリーグのCBでは突出する存在感を見せ続けた中谷。当然、日本代表入りも見えてくるパフォーマンスだったと言える。前回カタールW杯最終予選の招集歴も持つが、昨年7月のEAFF E-1選手権からは招集外が続いている。 中谷自身、代表入りには「意識はしていますけど、そこに関しては僕がどうこうできるものではない」と控えめな意欲を口にする。ただ、カタールW杯では国内組のDF谷口彰悟がチームを救った例もある。中谷は「ケガ人は出ているので、チャンスがないことはないと思う。今季続けてきたようなことを来季できればなくはないと思っているので、狙うことはもちろんしていくし、常にそこは見続けていきたいなと思います」と静かに意気込んだ。 そうした高い目標も胸に、来季はさらにチームを高みに導いていく構えだ。今季は首位の神戸と勝ち点6差で終了。優勝争いに食い込むべく「リーグ戦は波があるものだと思うけど、ダメな時にどうやって勝ち点を取るか。夏場に苦しんだところで、あと2試合くらい勝っていれば優勝を狙える位置にいたと思う」と口にした中谷は「今年でベースはできたと思うので、もうひと乗せできれば戦えるんじゃないかなと思う」と期待をにじませた。