「VIVANT」最終話、的中している考察は一つもない 公安監修者が明かす別班の謎&公安のリアル【独占インタビュー】
私が外事警察に入った二十数年前、(別の班と)一堂に会することはなかったのですが、例えば自分のデスクに行った時、たまたま会った隣の班の人間と目を合わせただけで怒られました。話すことなんて、絶対にダメですよね。私より下の世代になったら、挨拶はしましたが、「昨日どこへ行った? 今日どこへ行く?」といった仕事の話は絶対にしません。「VIVANT」でベキが話した内容は正しいです。
新庄のミス連発はアウト?公安は「失敗しないことが前提」
Q:警視庁公安部・外事第4課に所属する新庄浩太郎(竜星涼)は「公安ではなく、別班では?」と考察する視聴者もいます。尾行に二度失敗したり、公安らしからぬミスも目立ちますが、勝丸さんはどのようにお考えですか? 現実では、新庄のようなミスが連続すれば職を失う可能性もあるのでは? まず前提として、公安はスーツを着て、20メートルぐらいしか離れていない距離で尾行はしません。「VIVANT」ならではの演出になります。福澤監督から求められたのは、「真実の世界はいらない」ということ。真実の世界を書いてしまったら、ドラマが面白くなくなってしまいますからね。
新庄のミスについて、現実では一度失敗すると、(相手に)顔がバレてしまっている可能性があります。失敗した本人も埋め合わせをしようとして、焦ったりもしてしまうので、見失った場合は一回現場を外れて、無線を聞く仕事やデスクワークといった裏方に回ります。また、「VIVANT」のような重要な場面で二度もミスしてしまったら決定的です。現場から外され、永久とまではいきませんが、デスクや分析の仕事に回されます。
外事警察は選び抜かれたスーパーエリートなので、失敗しないことが前提です。全員が「日本一尾行がうまい」と自負している人たちの集団なので、失敗することはまずないでしょう。
Q:「VIVANT」は17日で最終話を迎えます。勝丸さんが最終話に期待することは?
「VIVANT」では愛国心、家族愛、親子愛とさまざま愛が描かれていますが、最後は愛と愛のぶつかり合いになると思います。乃木にとって、究極の選択になるでしょう。
また、私が知る限りでは、ドラマの結末をピタリと言い当てている考察は一つもありません。言い当てられないと思います。私は第9話までの製本された台本が手元にありますが、最終話は仮製本のものなので、どれが採用になるかはオンエアされないとわかりません。どのオプションが採用されたとしても、考察が100%合致しているものはありません。それくらい、とてつもないラストが待ち受けていると思います。