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法的効力はなくても… 「遺言ビデオ」今が求められる理由

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日刊ゲンダイDIGITAL

 遺言書には「付言」という自由に書いていいメッセージ欄がある。家族への感謝の気持ち、楽しかった思い出など何でも書いていいのだが、この思いをビデオレターで伝える人が増えている。文章では伝わりにくい感情が表現できると評判だ。  ◇  ◇  ◇  河野行革担当相がすべての省庁に対し、行政手続きで「はんこ」を使わないよう求めて話題になっている。よくよく考えてみれば、役人がはんこを使おうが使うまいが国民にとってはどうでもいいことだが、デジタル化によって縦割り行政や既得権益を打破すると言われると反対する意見は少なくなる。菅政権はデジタル化推進でマイナンバーカードを普及させたい考え。終着点は国民の監視管理に行き着くのだが、国民受けのいい「はんこ」を持ち出したのはなかなかいい手だった。  もっとも、民法においてのデジタル化はまだ高い壁がある。特に問題になっているのが、前近代的な「遺言」だ。  民法第968条は〈自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書(手書き)し、これに印を押さなければならない〉と規定している。ここにも“はんこ”が出てくるのはご愛嬌だが、原則、押印のない遺言書は無効にされてしまうから厄介。いっそのこと、遺言もデジタル化できれば使い勝手がいい。  とはいえ、残念ながら遺言ビデオに法的効力はない。8月から遺言ビデオレターの相談ダイヤルを始めた「菰田総合法律事務所」(福岡市)の菰田泰隆代表(弁護士)がこう解説する。 「ビデオや録音の遺言に法的な効力はありません。しかしながら、昨今は遺言書がきちんとあるにもかかわらず、きょうだい同士の仲が悪かったり、親の介護負担割合などによって遺族間でトラブルが生じることがあります。それは、『どのような意図で遺産分割したのか』という親の思いが子らに伝わっていないからでもあります。そこで、文章だけでは伝わらない思いをご自身の言葉で伝えられたらと思い、遺言ビデオレターの作成を提案しています。映像はブルーレイディスクにして、こちらで責任を持って保管します」

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