AIが記事偏向度チェック、米有力紙計画 両論閲覧、コメント機能も
【ワシントン古川幸太郎】リベラルな論調で知られる米西部カリフォルニア州のロサンゼルス・タイムズ紙が、人工知能(AI)で記事の偏向度を分析する「バイアスメーター」の導入を計画している。オーナーのパトリック・スーン・シャン氏は「記事に偏りがあるかどうかを読者が理解できるようにする」と述べ、早ければ来年1月にも導入する意向を明らかにした。複数の米メディアが報じた。 スーン・シャン氏は4日、保守系コメンテーターのポッドキャストに出演し、明らかにした。主要メディアはニュース報道とオピニオンの区別ができていないため「衰退につながっている」と指摘した。 その上で「私たちに必要なのは、バイアス(偏見)を持たないことだ」と主張。同じ記事でも反対の立場から書いた記事が読める機能を入れ、読者は両論を読んで、コメントできるようにもする。電子版を想定しているとみられる。 同紙の労働組合は5日の声明で「オーナーが証拠や具体例を示さず、スタッフに偏見があることを公の場で示唆した。スタッフは厳格な倫理ガイドラインを守っている」と抗議した。 同紙は11月の米大統領選で、民主党のハリス副大統領を支持する社説を用意していたが、スーン・シャン氏の判断で支持表明を見送った。複数の論説委員が抗議した。
西日本新聞