再び世界一を目指す! 囲碁ナショナルチームの挑戦
結果が出始めた若手棋士の強化
日本の場合は、国際戦で結果が残せなくなったこともあり、予算の問題から、選手だけで海外に遠征することも少なくなかった。そのため、対局以外にも、食事や生活のことなど、言葉が通じない国での精神的負担が大きくなっていた。 だが今年から、ナショナルチーム育成のための募金で、遠征の際に通訳やコーチをつけられるようになったため、選手の負担が大幅に少なくなったという。またコーチの同行により、試合前に選手とコーチで対戦相手について研究したりなど、技術的サポートも受けられるようになった。 さらに若手棋士の強化は、国内の棋戦にも結果として現れてきている。10月5日に行われた阿含・桐山杯決勝は、志田達哉六段と村川大介七段の22歳同士の対戦となり、村川七段が優勝。また18歳の余正麒七段と19歳の伊田篤史が今年、10代で初めて本因坊リーグ入りを決めた。 日本の碁が再び「世界一強い」と言われる日まで、棋士たちの挑戦は続く。 (ライター 王真有子)