アフターピルがあれば「避妊ができる」と思わないほうが良い。産婦人科医に聞いた
病院でのやりとり、大切なのは
「大事なのは、何よりも燃えている火を消すこと。望まない妊娠を避けたい人にとっては、今、必要なんです。複数の病院に行き、ようやく処方してもらえたと話した知人もいます。そのうちの1つは、しばらく待たされた後で診察室に呼ばれて、そのときになってから『緊急避妊ピルはうちにはありません』と医師に言われたそうです。置いてないなら最初から受付で言いなさいよ、と思います。そのうえ、診察料は請求されたというのがおかしすぎます」 「また、薬局でも買えると知っていれば、夜中に避妊に失敗したとしても、バタバタせずに朝を迎えられるでしょう。朝になっても、実際に手に入るかわからない状況で待つのは嫌じゃないですか。そして、転売の懸念をされる人もいますが、どの薬局でも買えるようになれば、その心配はいらなくなると思っています。マスクと一緒です」 「さらに、緊急避妊ピルのために産婦人科を受診すれば、処方以外のこともやってくれて、役に立つアドバイスも聞けると言う人もいますが、そんな医者ばかりじゃない。診察中にほとんど何も話さない医師だっていますよ。多くの医師は処方して、注意点を話すだけです。『避妊の確率は100%ではありませんからね』『生理が遅れたら、ちゃんと妊娠検査薬を使ってね』と言って、薬を渡してその場で飲んでもらう。あとは基本的に何もやっていないことが多いんですよ。とはいえ、大事なのは、まず薬を飲んでもらうことなので、それでも良いんです」
コンドームで避妊はできる?
一方で、「腟外射精」は、避妊した気分になるだけで、妊娠する可能性は十分にある。 そして、「コンドームさえあれば確実に避妊できる」と考えるのは、間違いだ。 太田さんは「100%なんてない」とゼロリスクはありえないと指摘し、コンドームをきちんと使用しても、妊娠する可能性は、年間で2%程度あるのが事実だ、と説明する。 その理由として、コンドームが破れたり、はずれたりすることをあげる。 また、女性の腟内でペニスからコンドームが外れる場合もあれば、コンドームが残ってしまうケースもある。勢いに身を任せてしまい、せっかく準備したコンドームを使わない可能性だってある。 パートナーが「最初から最後まできちんとつけていた」のに妊娠した人を診察したこともあるという。