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大人たちへ 小さなつぶやき、スルーしないで<新型コロナ暮らしの現場>

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琉球新報

 新型コロナウイルスの感染防止対策として約2カ月間続いた休校が終わり、多くの学校が再開した。大人たちがほっとする反面、おきなわCAPセンターによると、子どもたちにとっては「新学期はただでさえプレッシャーを感じる時期」という。子どもたちが自分を守るための人権教育プログラムを実施する立場から、大人たちに「子どもたちの小さなつぶやきに耳を傾けて」と呼び掛ける。大人たちへのメッセージを紹介する。  コロナ禍の混乱の中で、たくさんの不安を抱えながら暮らしている子どもたちは少なくない。自分や家族が感染して大変なことになるのではないかという不安。経済的なストレスを抱えた親を見て、家族の生活がどうなるのかという不安。進級・進学した新しい学校生活になじめるかという不安。新しい学校に進学した人はもちろん、すべての子どもにとって進級は新しい先生やクラスメートとの出会いであり、新年度はいつも希望と大きな不安を抱える時期である。  長いステイホームの期間を終え、ようやく学校生活が始まった。しかし当分は分散登校になる学校も多く、学校で過ごす時間が短くなるところもある。一部の子どもたちにはSNSを通じて仲良しグループが出来上がっていて、友だちづくりに苦戦する子どももいるかもしれない。  私たち、大人は生活に追われると、このような子どもの不安や悩みを見落としやすい。しかし子どもにとって、学校に自分の居場所を確立できるかどうかは、少し大げさに言えば生きるか死ぬかの問題だ。  朝から晩まで子どもたちの世話に手を焼いた保護者は、学校が始まって「やれやれ、これで子どものことはOK」と少し解放された気持ちになるが、子どもたちは在宅時とは違う学校生活のストレスに襲われる。  もし子どもから「前のクラスの方が良かったな」と言われたら何と返すだろう。「大丈夫、すぐ慣れるよ」と、大人の人生経験からついアドバイスしてしまうかもしれない。  しかし子どもの心の声を聴くためには、まずは「そう感じるんだね」と子どもの言葉を受け止める。そして「そう感じるあなたの気持ちをもっと聴かせて」と言ってみる。心の中のモヤモヤを言葉で表現するのが難しい子どももいることを頭の隅に置いて。  私たち、大人も悩みを聴いてもらうことで心が軽くなり、解決方法が見えてくることがある。そうは言っても相談されると、ついアドバイスしたくなってしまうもので…。ただ聞くことって案外と難しい。  閉ざされた家の中で苦しい思いを抱えていた子どもたちにとっては、学校再開は家の外の大人とつながるチャンスだ。周囲にいるすべての大人が子どもの小さなつぶやきに耳を傾け「あなたの気持ちを聴かせて」と関わることを、いっそう心掛けていきたい。

琉球新報社

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