今年のボージョレ・ヌーヴォーはどんな味?
5000本以上のコレクションを持つ日本随一のワインコレクターで、多い時は月に3桁の金額をワインに費やす吉川慎二さん。超愛好家だからこそわかる、真にスマートで男女問わずモテるワイン道ってどんなもの? ちょっとイタいワインおたくや面倒くさい半可通など、周囲の反面教師からも学ぶ、ワインのたしなみ方入門です。 モテるワイン道入門
モテるワイン道入門~世界の新酒ワイン
鰹、鮭、松茸、ナス……日本人は昔から初物を縁起が良いと重宝してきました。日本人の新酒ワイン好きはそのようなことも背景にあるのでしょうか? 有名なボージョレ・ヌーボーがもっとも多く輸出されているのは日本なのだそうです。
ボージョレ・ヌーヴォー(Beaujolais Nouveau、フランス)/11月第3木曜日解禁(2020年は11月19日)
新酒のワインで真っ先に思い浮かぶのがこれですよね。フランス・ブルゴーニュ地方の最南端から、食で有名な都市リヨン(Lyon)までの、ボージョレ地区で造られるワインです。種類は赤とロゼのみ。ガメイ(Gamey)というブドウから造られ、さわやかでフルーティーな味わいが特徴です。なんと、ボージョレ地区で作られるワインの3分の1がこのヌーボー、そして日本はその最大の輸出先です。初物好きの日本人気質と、本国フランスよりも時差の関係で8時間も早く飲める点が人気の秘密なのでしょうか? 以前はボージョレ・ヌーヴォーと言えば「解禁日に飲む」こと優先で、品質には重点が置かれていないイメージもあったように思われましたが、最近はそうでもありません。日本での人気の影響なのかブルゴーニュ地方の有名生産者もヌーヴォーを造っています。ぜひトライしてみてください。
また、ボージョレ・ヌーヴォーといえば毎年のキャッチコピーも有名です。実はこのキャッチコピーにはボージョレワイン委員会による品質評価に基づくものと、日本の販売業者が独自につけるものの2種類があるそうです。前者は控えめなのですが、後者はワイン普及・セールスを目的としているため、なかなか大胆、なかには笑えるものもあります。過去の傑作をご紹介しますと…… 2001年: ここ10年で最高 2002年: 過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え。1995年以来の出来 2003年: 100年に1度の出来、近年にない良い出来 2005年: ここ数年で最高、タフな03年とはまた違い、本来の軽さを備え、これぞ『ザ・ヌーボー』 2009年: 過去最高と言われた05年に匹敵する50年に1度の出来栄え 2010年: 2009年と同等の出来 2011年: 100年に1度の出来とされた03年を超す21世紀最高の出来栄え 2014年: 2009年の50年に一度の出来を超える味わい 2015年: 今世紀で最高の出来