物議の一酸化炭素吸引、UCIが禁止へ 自転車
【AFP=時事】国際自転車競技連合(UCI)は12日、合法ながらもトップ選手が使用して物議を醸している一酸化炭素吸入に関し、禁止する動きを見せた。来年1月31日と2月1日に行われる次回の会議で、「選手による一酸化炭素の使用を医療上の理由で禁止することを管理委員会に提案する」としている。 【写真】ポガチャルがツール・ド・フランス3度目総合V 区間制覇で飾る UCIは先月末、選手の一酸化炭素吸引について、世界反ドーピング機関(WADA)に「立場を明確にするよう」求めており、今回の動きはこの方法の禁止に向けてさらに一歩踏み込んだことを示している。 ツール・ド・フランスの現王者タデイ・ポガチャル(スロベニア)と同大会で2度の総合優勝経験を持つヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク)は、血液中の赤血球レベルに影響を与えると信じられているこの方法を実戦したことが知られている。 UCIは声明で、「一酸化炭素は有毒な無臭ガスであり、家庭内事故の原因となることが多い」と警告し、「このガスは、医療では酸素の肺拡散や総ヘモグロビン量を測定するためのトレーサーとして使用され、その際は少ない用量かつ厳格な安全条件の下で吸入する」「しかし、非医療条件下での吸引を繰り返すと、頭痛、疲労、吐き気、嘔吐(おうと)、胸痛、呼吸困難、さらには意識不明になるなどの副作用を引き起こす可能性がある」と説明した。 その一方で、「医療現場において資格を持つ医療従事者が、厳格な条件下で総ヘモグロビン量を評価するために使用することについては、引き続き許可される」と付け加えた。 この件では今夏のツール期間中、自転車競技の専門ウェブサイトが、イスラエル・プレミアテックとポガチャルの所属するUTE、ヴィンゲゴーのチーム・ビスマ・リースアバイクの少なくとも計3チームがこの方法を用いていることを報じていた。 ポガチャルは一酸化炭素吸入について問われた際、一度は知らない様子を見せていたが、その翌日、医療関係者の監督の下で一度だけ吸入したことを認めた。【翻訳編集】 AFPBB News