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銀行に貸し渋りされた企業の運命~他行を当てにできないのはなぜ?

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LIMO

銀行に貸し渋りされた企業は他行から借りれば良いというのが理屈ですが、それは実際には容易ではない、と筆者(塚崎公義)は考えています。 * * * * * 新型コロナ不況の深刻化にともなって、金融危機の発生を心配する人が増え始めているようです。そこで、リスクシナリオとして金融危機を考えるシリーズを記すことにしました。第5回の今回は、貸し渋りを受けた企業の運命です。

コロナ不況で銀行が貸し渋りをする可能性あり

新型コロナ不況が深刻化すると、倒産が増えて銀行が赤字になり、自己資本が減って貸し渋りをするかもしれません。それは銀行が自己資本比率規制を課されているからです。そのあたりについては前回の拙稿『コロナ不況で銀行の貸し渋りは避けられない?  金融危機のリスクシナリオ』をご参照いただければ幸いです。 「貸し渋りを受けた企業は、他行から借りれば良い」と考える読者も多いでしょうが、理屈上はそうであっても実際問題としては、それは容易なことではないのです。

新規取引先については返済能力をじっくり調べる

銀行は、既存の融資先については状況がわかっていますから、融資に際しても最近の状況が激変していないことを確認するだけで簡単に融資を実行できます。 しかし、新規の取引先から借入の申し込みを受けた場合には、企業の返済能力をしっかり調べる必要があるので、融資の実行までに時間がかかります。 A銀行から貸し渋りをされたのでB銀行に借入を申し込んだ、という場合には、多くの中小企業が同様にB銀行に殺到している可能性もあります。そうなると、順番待ちで長い時間がかかる場合もあるでしょう。 待たされている間は材料仕入れ資金がないので生産が止まってしまい、倒産してしまう中小企業も多いかもしれませんね。

他行も苦しい場合が多い

A銀行が特殊要因で自己資本不足に陥って貸し渋りをしている場合はB銀行に余力があるでしょうが、不況による自己資本減少の場合には、B銀行も似たような状況にあるでしょうから、B銀行にも余裕がない場合が多いはずです。 そうなると、B銀行は従来の取引先への融資だけで手一杯で、新しい取引先に融資することができないかもしれません。

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