【特集】“中1の壁”の対策にも...小学校で「教科担任制」 先行導入の学校では先生の負担軽減というメリットも
小学校で専門知識のある教員を教科ごとに配置する「教科担任制」。現在、国は導入を目指していますが、兵庫県では一足早く授業に取り入れてきました。環境がガラリと変わる“中1の壁”にも対応できるといいます。 【映像】授業の準備に余裕もできて休み時間に児童らとドッジボールをする横田先生
自分の担任クラスで理科の授業 次の時間は隣のクラスへ
2月18日、兵庫県姫路市にある市立城東小学校の6年1組では、担任・横田直人先生(37)が理科の授業を教えていました。この日の授業では手回し発電機を使って電気について学びます。 (児童らに話す横田直人先生) 「赤が何で黒が何かみんなわかる?赤がプラスで黒がマイナスね。豆電球はどっちにつないでも電気は流れるんだけど、LEDどうだった?プラスはプラス、マイナスはマイナスというふうにちゃんとつながないと、発光ダイオードは電気が流れないとお話ししたね。」
理系科目が得意な横田先生。実験を交えてわかりやすい授業を行うことを心がけています。実際、子どもたちものめりこんでいる様子です。 (児童)「(電気が)ついた!イェーイ!」 (横田先生)「上手にためたね、コンデンサーに電気を。」
そして授業を終えた横田先生。次は隣の6年2組へと向かい、さきほどの1組と同じ理科の授業を始めました。 (横田直人先生) 「さっきやった授業を同じ日に隣のクラスでもできるので、授業の準備もすごく時間短縮になりますし、同じ授業なので我々もやりやすいです。」
その時、1組では2組の担任がやってきて、代わりに社会を教えていました。 (社会の授業風景) 「きょうは国際協力について勉強していきます。アフガニスタンってどんな国?」
神戸市を除く兵庫県内のほとんどの公立小学校では、小学5・6年生を対象に、同じ学年の担任同士が入れ替わるなどしてそれぞれが得意な科目を教える「教科担任制」を8年前から導入しています。 (6年1組の児童) 「(担任の)横田先生と違う先生に教えてもらってちょっと新鮮な感じ。専門的な知識とかも教えてもらえるし、うれしいです。」 「5年生の時は担任の先生がどこかへ行ってあれ?ってなったけれど、今はなんとか慣れて普通になった。」 「(Q担任の横田先生の授業が減ることについて思うことはありますか?)何とも思わないです。社会専門の先生が社会を教えるという、わかりやすさを僕は追求しているんで…。」