宮川大助「なんでやねん!なんで俺、おしめ替えながら」最後にたどりついた夫婦のかたちとは
日本を代表する夫婦漫才・宮川大助さん・花子さん。2019年に花子さんに血液のがんである「多発性骨髄腫」が発覚、今もなお闘病生活を続けています。 【図解】多発性骨髄腫は何歳以降に起きる?生存率は? 放射線治療が一段落したあと、保留になっていた白内障の手術を受けた花子さん。無事に手術が終わり、退院の運びとなりましたが、そのあと、自宅での本格的な介護がスタートしたのでした。このとき、大助さんが「介護男子」としてデビューしたわけですが、長年連れ添った夫に介護されることになった花子さんはどんな気持ちだったのでしょうか? そして、その後はどのような心境の変化があったのでしょうか? そのアンサーは“おしめ交換”にまつわるお二人のやりとりから読み取れるかもしれません。
羞恥心を伴う「摘便」も、笑いさえあれば双方が「おもしろいこと」にできる
大助さんが正真正銘の「なにわ介護男子」になったのは、花子さんが原因不明のまま、右足がまったく動かなくなり、ほぼ寝たきりになってしまってから。病院では看護師さんがやってくれていたさまざまなケアを自宅で大助さんが担うことになりました。 「薬の管理やベッドから車椅子への移動、日中のおしめ交換、夜のバルーンカテーテルの挿入など、すべてを(大助くんに)お願いしなければならなくなりました。便通も気にしてくれて、ちょくちょく摘便もしてくれます。そのときも、いろいろおもしろいことがあるんですよ」 摘便とは、自然排便ができない、麻痺があるなどの理由で腹圧がかけられない、脊損や直腸機能障害がある患者さんに対し、肛門から直腸に指を入れて便を掻き出すこと。ケアされる側にとっては、苦痛と羞恥心を伴うことも多いものです。そんな摘便タイムにでさえも、「おもしろいこと」があるとは、さすが花子さんと大助さん! 「私が『ちょっと出てるみたい』と言うと、すぐにお尻を確認してくれて、『顔も出してないで。また硬いのが詰まってんちゃうか』と言いながら、手袋をはめた指で中をクチクチと探ってくれるんです。『あっ、やっぱり硬いの詰まってるわ。クランチチョコみたいなやつが』って。クランチチョコって、ちょっとかわいいでしょう。いつも笑ってしまいます」