【ONE】圧倒的なテクニック! 左の攻撃でキリアを完封したシッティチャイがGP決勝進出
2022年1月28日(金)シンガポール・インドアスタジアムにて「ONE: ONLY THE BRAVE」が開催された。 【写真】キリアのガードの間を打ち抜くシッティチャイ ▼メインイベント フェザー級キックボクシング ワールドGP準決勝 3分3R 〇シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)69.25kg, 1.0066 [判定3-0] ×ダビット・キリア(ジョージア)70.30kg, 1.0091 ※シッティチャイが3.26「ONE X」でのGP決勝進出 シッティチャイはプロ160戦以上と鉄人的な戦歴を持つ現役のムエタイレジェンド。キックボクシングとムエタイを合わせ、世界王者に11回輝く。過去10年間に渡り、キックボクシングとムエタイで、最も圧倒的な強さを誇る選手の1人として評価を築き上げてきた。 ジャバル・アスケロフ、アンディ・サワー、ソーグロー・ ペッティンディーアカデミー、エンリコ・ケールなど、数々の世界トップクラスのストライカーを倒したシッティチャイだが、2020年7月のONE初陣ではスーパーボンに判定で敗れている。 2021年8月には7年ぶりのムエタイルールでタイの現役トップ選手タワンチャイから判定2-1で勝利をもぎ取った。10月の準々決勝では、トルコのタイフン・オズカンをスプリット判定で降し、準決勝進出を決めている。 対するキリアは芦原会館空手出身で、15歳でキックボクシングに転向。2012年にGLORYで行われた世界ミドル級スラムトーナメント(16名出場)に出場すると、準決勝まで進出したがペトロシアンに判定負け。2014年3月にはペトロシアンをKOしたアンディ・リスティをKOしてGLORY世界ライト級王座に就いた。 さらに2018~2019年にはクンルンファイトのWORLD MAXトーナメントでも優勝している。2019年2月以降、試合から離れていたが2021年2月に復活。ペトロシアンに判定3-0で敗れた。10月の準々決勝では、右の攻撃でドイツのエンリコ・ケールを1R 2分50秒 3ノックダウンでTKOに降し、準決勝に進出した。 1R、サウスポー構えのシッティチャイ。オーソドックス構えのキリア。先に左ローから入るシッティチャイ。右ジャブ、左ミドル。圧力をかけるキリアに左ストレートを合わせる。ガード固めて右奥足ローを突くキリア。しかしその入りに左ヒザはシッティチャイ。さらに左ストレートでキリアのバランスを崩す。 左ボディストレートも突くシッティチャイ。さらに奥足ローも。右ロー左ハイの対角線攻撃のシッティチャイに、キリアは詰めて右前蹴りも金的に。すぐに再開。シッティチャイは右ジャブ、左ストレートでコントロールする。 2R、シッティチャイの距離を打破したいキリアは左の蹴りに左回りに外に行くと、右ミドルは空振りに。中に入るとシッティチャイは左テンカオを突く! 右ジャブを突き左テンカオに繋ぐシッティチャイ。キリアの入りに先にヒザを突く。ワンツーから左の蹴りまで繋ぐシッティチャイ。ガードを固めるキリアだが、入り際に左ハイ! テンプルにもらったキリアがダウン。立ち上がりゴング。 3R、左ミドルから入るシッティチャイ。さらに左ミドル。近づけば左ヒザとキリアにつけいる隙を与えない。左を上中下と打ち分けるシッティチャイ。右前蹴りのキリア。 シッティチャイの打ち終わりに左フックを狙うが、すっとかわして出入りのシッティチャイ。キリアの右ストレートに左テンカオを合わせる。右後ろ廻し蹴りから、マットに手を着いてセンチャイキックまで見せたシッティチャイ。ゴング。 判定は3-0で圧倒的なテクニックで自身の距離で戦ったシッティチャイが勝利し、決勝に進出。「いまとてもハッピーだ。キリアを攻略するのは大変だったけど、無事攻略できた」と完封劇を振り返ると、続けて、ケージインしたチンギス・アラゾフに「しっかり準備してきてくれ、僕は勝利を確信している。お互いに決勝でいい状態で会おうぜ」と語りかけ、ケージ中央でフェイスオフに臨んだ。 シッティチャイとアラゾフは、3.26「ONE X」でのGP決勝で対戦が決定。まぎれもなく世界最強のファイターたちが揃ったONEフェザー級戦線。GPで優勝し、ジョルジオ・ペトロシアンを右ハイキックでKOしてONEフェザー級キックボクシング世界王者となったスーパーボン(タイ)への挑戦権を獲得するのは、シッティチャイかアラゾフか。