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LGBT「2人の証し」宣誓33組 茨城、カップル公認制度1年 広がる理解の輪

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茨城新聞クロスアイ

LGBTなど性的少数者のカップルを公認する茨城県の「パートナーシップ宣誓制度」が、7月1日で運用開始から1年を迎えた。県によると、これまでに33組(30日時点)が宣誓書を提出し、新たな一歩を踏み出した。宣誓受領証を持つカップルを、公営住宅の入居時に家族と同様に扱う自治体は21市町に増え、手術の同意などに使える病院も28病院まで拡大。導入を機に、官民ともに理解の輪が広がり始めている。 ■本当の自分 高齢者施設で相談員として働く水戸市の松田サトルさん(28)=仮名=は、心と体の性が一致しないトランスジェンダー。女性に生まれ、男性として生きてきた。今年4月、パートナーのエリさん(28)=同=と宣誓書を提出した。 付き合って8年。「2人が一緒にいる証しが欲しいと思った」 生まれも育ちも茨城。幼少期からスカートをはくのを嫌うなど、女性としての自分に違和感があった。高校時代、友人からのカミングアウトを機にトランスジェンダーについて調べるうち、自分にも同じ感覚があると気付いた。「これが本当の自分か」。そう確信すると、ストレスが消えた。 周囲に打ち明けると、父親は「好きなように生きろ」、親しい仲間は「松田は松田だから」と受け止めてくれた。「信頼できる人には隠さなくていいんだ」と思えた。 ■同じ権利を サトルさんは高校卒業後、県内大学に進学。同じ学科にエリさんがいた。「一緒にいて居心地がいい」と好感を持ち、間もなく交際が始まった。エリさんも「優しくていつも楽しませてくれる」と信頼を寄せる。 「待ちに待っていた」というパートナーシップ制度。交際開始の記念日に合わせ宣誓書を提出した。今後は、相手の身に万が一何かあっても病院に駆け付け、そばにいられる。エリさんは、個人年金保険の受取人をサトルさんに変更することもできた。 宣誓したことで「少し、安心感が生まれた」と2人は語る。 一方で、制度に法的効力はなく、子どもを持つことのほか、行政サービスや福利厚生などには壁も残る。「やっぱり、結婚している人と同じ権利が欲しい」と願う松田さん。「この制度が、もっともっと堂々と生きられるきっかけになれば」と期待する。 ■28病院で同意可 パートナー制度に基づき面会や手術の同意が可能となったのは県内28病院。いずれも二次、三次救急に対応する地域の中核病院で、県内九つの二次医療圏全てで1カ所以上を数える。 通常は「親族」が同居要件の公営住宅は、保有する県内38市町のうち21市町が制度を適用し、全体の半数を超えた。 県は今年2~3月にかけて、当事者やその家族を対象に初めてとなるアンケートを実施。約200人から回答があり、必要な支援策として教育・啓発推進のほか、「多目的トイレ整備」「ホルモン治療ができる医療機関の整備」などの意見が寄せられた。県は今後の施策に生かす考えだ。

茨城新聞社

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