MotoGP日本人ライダーの戦い【第16戦日本GP】もてぎを沸かせた小椋藍、2位表彰台獲得に相反する胸中
中上貴晶、最後の日本GP。グリッド上で聞いた「君が代」に感じたもの
中上貴晶(イデミツ・ホンダLCR)にとって、10月6日(日)の決勝レースが、フル参戦ライダーとして最後の日本GPだった。前日、土曜日のスプリントレースでは、5周目にチームメイトのヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)に接触される形で転倒、リタイアに終わっている。「チェッカーを受けたい」ということが、中上の脳内にあった。 スタート時刻が迫り、やがてこっちのけんとさんによる国歌独唱が始まった。グリッド上で、MotoGPライダーとして聞く最後の「君が代」。胸に迫るものがあった。 「最高峰クラスのMotoGPライダーとして、いろいろ思うところもありました。(そのとき)なおさら全力を尽くしたいと思えたんです」 中上は、グリッド上でちょっとした賭けに出た。他の22名のライダーのように、フロントにハードタイヤ、リヤにミディアムタイヤを履いていたが、グリッドでリヤをソフトタイヤに変更したのだ。 「グリッドが後方なので、守るものもない。ミディアムは(パフォーマンスが)予想できる。もともとグリップがないなかでみんなと同じタイヤを選んでも、そのギャップがあまり変わらないと考えたんです。(ソフトは)レース後半のデータがなかったので未知数ではありましたが、うまくマネジメントすればソフトでも問題ないと思いました。だったら勝負しようよ、って。チームもそれを受け止めてくれたんです」 いつものレースなら、リヤにミディアムでいこうと考えただろう。ただ、今回は中上にとって、特別だった。最後の母国グランプリが、「ソフトでいこう」という決断を下させた。 中上はタイヤをマネジメントして、13位でチェッカーを受けた。 涙は出なかった……、クールダウンラップでは。ピットに戻ってイデミツ・ホンダLCRのクルーに迎えられたとき、少しだけ、泣いた。そんな中上に、スタンド席から上がる「タカ」コール。中上はファンのもとに駆け寄り、惜しむようにその声に応えていた。
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