Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

黒石奈央子が手がけるAmeri、「泥臭い6年間」と「したたかな戦略」

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
Forbes JAPAN

新型コロナウイルス感染症の感染拡大のなか、改めて注目を集めるD2Cブランド。その中でも、業界内で一目置かれる存在が、黒石奈央子が手掛ける「Ameri」だ。 2014年に設立したAmeriは、インスタグラムを活用したマーケティングをいち早く取り入れ、20~30代を中心に絶大な支持を獲得。代官山や大阪に実店舗を構え、2019年7月には1カ月で30億円超の売上を記録した。ここ数年で雨後の筍のように増え続けるD2Cブランドとは、一線を画す存在となっている。 2020年7月には、バーチャルインフルエンサー事業を運営する1SEC(ワンセック)のCEO、宮地洋州とともにアイクリームのみを取り扱うD2Cブランド「ローワン(LOWAN)」を発表。コスメブランドに挑戦する。「Ameri」の立ち上げから躍進を続ける黒石に、新たな領域に挑む意味、その意気込みを聞いた。 「D2Cの先駆け」は、こうして生まれた 黒石奈央子が手掛けるブランド「Ameri」、セレクトショップ「Ameri VINTAGE」は、独特の世界観やスタイリッシュなデザインから、20~30代女性を中心に絶大な人気を誇る。 受注会が開催されると店舗には長蛇の列ができ、EC販売は即完が当たり前。昨今では、タレントの田中みな実や新木優子がプライベートで着用していることでも話題となった。 黒石は前職のアパレルブランドで店舗の内装やECのデザインを担当するVMD(ビジュアル・マーチャンダイジング)として、広範な「売り場づくり」を経験。ブランドのブログ執筆やSNSなども担当していたことから、いち社員でありながら“ファッションインフルエンサー”としての立場を確立しており、2014年、黒石が独立することが発表されると業界内のニュースとなった。 「いまでは多くのD2Cブランドを見かけることがありますが、ただの会社員が個人のブランドを立ち上げるなんて、6年前では考えられない出来事でした。業界で話題にはなりましたが、大きく成長するビジョンは見えませんでした。ヴィンテージの店舗が一つ持てれば嬉しいかな、みたいなテンションでした」と黒石は当時を振り返る。 ブランド設立後、現在では主流となっているインスタでの販促をいち早く導入。黒石の知名度も寄与し、オープン前からECサイトがダウンするほどの人気を獲得した。 その成功から、D2CブランドのSNS活用という切り口で注目されるが、黒石は「自分にできる範囲のアクションを積み重ねていっただけなのかなと」と話す。「初期はデザインだけでなく、値付け、梱包、配送、SNSの数値チェック……全てを一人で回していました。当時の自分の部屋は、段ボールしかありませんでしたから(笑)」 「一人で回すのは体力的に辛い時期もありましたが、デザインと経営の関係を整理できたのは大きかったなと。『この服ならこれくらいの金額かな』とPDCAを回すなかで、Ameriとしてビジネスを成立させるにはどうすればいいか肌感覚で掴むことができたんです。同時に、経営に必須なPLやBSも、必要に駆られて習得していきました」 ブランドの世界観やラインナップもさることながら、試行錯誤しながらブランドを成長させていくストーリーも顧客に共有され、ファンの熱量が高まっていった。

【関連記事】