「高学歴の人ほどベンチャーに行ったほうが稼げる」と断言する理由
若いうちから仕事力を伸ばすにはどうすればいいか。ビジネス系YouTuberの株本祐己氏は「すべての仕事を自分でこなすベンチャーはスキルも人脈も伸ばすことができる。高学歴の人ほど小さい会社に入ったほうがいい」という――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、株本祐己『稼ぐことから逃げるな』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。 ■ヒト・モノ・カネを動かす力を伸ばす方法 ヒト・モノ・カネを動かす力。自分が動かすことのできる資本の大きさのことを、私はビジネス戦闘力と呼んでいます。 20代でビジネス戦闘力を大きく上げるうえで、1つの大きな選択肢となるのが、従業員が100人未満のベンチャー企業に就職することです。 他にもビジネス戦闘力を上げる進路はさまざまありますが、ベンチャーのメリットを私は身をもって体験しているので、これに関しては自信を持っておすすめできます。 ベンチャーでビジネス戦闘力が大きく上がる理由の1つは、やはり早くから現場の実務に直接携われることです。 大手だと20代では下積み仕事をやらされることが多いのに対し、人材が限られるベンチャーでは若手であっても前線に立って実務を担うことが多いです。 それもビジネスをゼロから一気通貫で任されることが多く、そこに本気で取り組めば、いやでもスキルや人脈はついていきます。 ベンチャーは「ビジネス戦闘力を上げざるをえない環境」といえるのです。
■高学歴の人ほどベンチャーに行くべき とりわけ中小企業間の取り引きには、経営者が直接登場するケースが少なくありません。したがってベンチャーでの業務を通して、経営者の人脈を大きく広げることができます。 そして経営者との人脈は、ビジネス戦闘力を上げるうえでの重要な柱となります。 大手企業にいては、20代で経営者の人脈を増やすことは、なかなか難しいケースが多いでしょう。 またベンチャーでは、法人営業からマーケティング、請求書の発行・入金チェックまで、スモールビジネスの全てを自分で行うケースが多いです。 もし将来に起業する場合は、その拡大版になるわけなので、勘所がわかっていて非常に起業しやすいメリットもあります。 ちなみに私は、高学歴の人ほどベンチャーに行ってもらいたいと思っています。 ベンチャーに進む人は、「ベンチャーしか行けなかった人」と「ベンチャーをあえて選んだ人」の2通りに分かれます。 社長は当然、「ベンチャーで頑張って力をつけたい」という後者により大きな仕事を任せ、育てていこうと考えます。高学歴の人がベンチャーに行くと、その“あえて組”であるとみなされやすいのです。 ■1億PVのサイトの末端部員より100万PVの創設者 「ベンチャーに行ってしまうと、その後大手に行ったり、大手の仕事にかかわったりできなくなるのでは? 」と思う人もいるかもしれません。 でも結論からいえば、そんなことは絶対にありません。 ベンチャーで実績をつけさえすれば、その後に大手企業に転職したり、大手企業の仕事に携わることは全く問題なく可能です。 事実、私もベンチャー企業から、大手コンサル会社に転職しています。 知人には、ベンチャー企業から超大手コンサル会社であるマッキンゼーに転職し、そこで超大手企業の案件に携わっている人もいます。 むしろ今後は、大手出身のエリートしか登用しない会社は、着実に淘汰されていくのではないでしょうか。 なぜなら、実力主義ではないからです。 たとえば1億PVを誇るサイトの業務の一端を担っていた人よりも、100万PVのサイトを自分でゼロから立ち上げた人のほうが、ビジネス戦闘力は明らかに高いでしょう。 新たに1000万PVを目指してサイトを立ち上げようとなった際にも、後者のほうが間違いなく人材として有用といえます。 今後は、そういった真に実力のある人材が、大手でますます登用される時代になっていくはずです。 ちなみにベンチャー企業には、新卒1社目で入らなくてはいけないわけではありません。若手であれば、2社目で入っても3社目で入っても、問題ないでしょう。 実際に私のベンチャー時代の先輩たちは、他の企業から中途でベンチャーにやってきた人たちも多く、その後は皆、独立を果たして年収1000万円以上に到達しています。