130Rで前を塞がれコースアウト「避けるしかなかった」山内英輝。懸念のブレーキトラブルは原因解決
12月7日に鈴鹿サーキットで行われた2024スーパーGT最終戦の予選でGT300クラス2番手を獲得した61号車SUBARU BRZ R&D SPORT。山内英輝が最速タイムを狙ってアタックしていた最中の130Rで他車に進路を塞がれてコースアウトし、タイム更新はならなかったが、2番グリッドから今季初表彰台を目指す。 【写真】2024スーパーGT第5戦鈴鹿 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝) 最終戦鈴鹿の予選では、Q1で井口が3番手タイムを記録。続くQ2では山内が一時トップに立つ1分55秒249をマークすると、2周連続アタックでそのタイムをさらに削りながら最終セクターに入っていた。しかし、130Rで30号車apr GR86 GTとの交錯を避けるために外側にコースアウト。アタックを中止してピットに戻った。 予選後の山内は「(apr GR86 GTが)130Rに入ったときには内側にいたので、譲ってくれるのだろうなと思っていたら、右にウインカーを出しながらアウト側に来たので、避けるしかなかったです。あのまま(イン側に)いてくれたら別に問題なかったんですけどね」と状況を振り返った。 全開アタックをしている最中での高速130Rでの出来事ということで、山内も急にイン側に行くことはできず、アウト側に避けてコースアウトするしかなかった。この一件に関しては、『ドライバーの遵守事項(他車の妨害となるようなスロー走行)』違反でapr GR86 GTに予選結果から5グリッド降格が科されている。 最速タイム更新が見えていた山内は、悔しさがあるのかと思いきや、意外にもそうではないという。 「けっこう危なかったですけど、意外に冷静だったので大丈夫でした。あのままアタックができていたら、もしかしたら多少タイムは上がっているかもしれないですけど、そこまで(タイムは)変わらなかったと思います」 正式結果では今季三度目の2番手となったSUBARU BRZ R&D SPORT。決勝はフロントロウからスタートすることになるが、気になるのは第7戦と第8戦で見舞われたブレーキまわりのトラブルが解決しているかだろう。 そのことについてチームの小澤正弘総監督に聞くと、「オートポリス(第7戦)でブレーキにトラブルが発生してしまいました。もてぎ(第8戦)ではその対策のために以前のスペックを使用したのですが、その冷却が不足している状態でした」と原因を明かした。 「クルマのパフォーマンスと重量、タイヤも性能が上がっているなか、ブレーキの冷却が以前のままだと冷却性能が少し足りておらず、熱暴走してしまいました。ですが、もてぎ(第8戦)の後に検証テストを行い、何が悪いかはしっかりと判明することができました」 また小澤総監督は、鈴鹿サーキットはもてぎに比べてブレーキに優しいことも味方すると続ける。 「国内だと鈴鹿サーキットはブレーキにいちばん優しいコースだと思っています。もてぎの負荷を100%だとすると、鈴鹿は65%くらいの負荷になるので、そこまでブレーキを心配する必要はないはずです」 今季2024年シーズンはここまで噛み合わないレースが続いているSUBARU BRZ R&D SPORT。最終戦で今季初の表彰台、そして優勝を獲得することができるだろうか。 [オートスポーツweb 2024年12月07日]