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13年越しの悲願「総合取引所」誕生 いったい何が変わる?

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THE PAGE

 これまで証券とは別の取引所で取引されていた貴金属や農作物などの商品デリバティブ(金融派生商品)が大阪取引所で一括して取引されるようになりました。これによって大阪取引所は証券と商品を一体で扱う「総合取引所」となります。総合取引所の運営は13年越しの悲願ともいわれていますが、何が変わるのでしょうか。

投資家の不便を解消

 かつての金融市場は、投資対象によって取引所がバラバラなのは当たり前のことでした。しかし、ここ20年の間に金融ビジネスが急激に発達し、機関投資家は、株価指数先物、債券先物、金先物、各種オプションなど複数の商品を複雑に組み合わせる取引を行っています。こうした状況に対応するため、各国の取引所は経営統合などを行い、複数の投資対象を一括して取り扱う総合取引所に姿を変えつつあります。マネーというのは自由に国境を越えて移動しますから、投資家にとって不便な市場からはお金が逃げてしまうというのがこの世界の常識であり、各国は自国にお金が集まるよう取引所の改革を進めていったわけです。  ところが日本の金融市場は取引所によって商品が異なるという従来の体制を維持しており、内外の機関投資家が日本での取引を避けるようになってしまいました。こうした事態を回避するため、総合取引所の構想が持ち上がりましたが、その実現までには13年もかかってしまい、ようやく今回、実現の運びとなりました。

役所の縄張り争いが…

 総合取引所の実現に時間がかかった最大の原因は役所の縄張り争いというのが業界におけるもっぱらの見方です。株価指数や債券などを取り扱う大阪取引所は金融庁の管轄ですが、貴金属や農作物を取り扱う東京商品取引所は経済産業省と農林水産省の管轄です。これが大阪に一元化されてしまうと、両省の権限が少なくなってしまいます。ようやく統合が実現したことで関係者は胸をなで下ろしていますが、課題はまだ残っています。  現時点においても商品取引における主力のひとつである原油は大阪に移管されませんでした。原油と債券先物、株価指数を組み合わせて投資をする投資家は少なくないので、100%不便が解消されたとは言えません。  このようなことをしている間に、日本国内の商品先物の売買高は15年で5分の1以下にまで落ち込み、地盤沈下が顕著となっています。組織の利益に固執せず、全体の利益を考えて取引所を運営しなければ、ますます日本の金融市場は世界から見放されてしまうでしょう。 (The Capital Tribune Japan)

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