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ディズニー新作映画『ムーラン』に習近平登場⁉︎ ウイグル・香港めぐり批判も

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クーリエ・ジャポン

人権侵害が指摘される中国新疆ウイグル(維吾爾)自治区の協力のもとに制作され、批判が殺到しているディズニー最新作映画『ムーラン(花木蘭)』。“あまりにも中国寄り”な姿勢に世界中で怒りの声が上がる一方で、映画の中で重要人物を演じる俳優が「習近平国家主席にそっくり」であることから、中国当局がキャスティングにまで口を出したのではないかとの憶測が広がっている──。 【写真ギャラリー】毛沢東の「大躍進」時代(1958~1961年)

中国人なら誰もが知る女剣士

“中国寄り”と批判される『ムーラン』はそもそも、古代より中国に伝わる男装の女性剣士・花木蘭(フア・ムゥラン)の伝説だ。物語は、南北朝時代の北魏(386~534年)王朝で書かれ、後世の文人たちに潤色されてきた五言詩『木蘭辞(ムゥランツゥ)』がベースになる。 北方の遊牧民族の脅威にさらされている中国北部の王朝で、花(フア)家の長女、木蘭(ムゥラン)は悩んでいた。勅令で1家族につき男性1人が徴兵されることになったが、花家には老いた病弱な父しか男子はいない。木蘭は自身が男装して従軍することを決意する。彼女は人一倍、武芸に秀でていたからだ。 男装の剣士となった木蘭は数々の奇襲作戦を展開、遊牧軍を相手に転戦し、自軍を何度も勝利に導く。それらの軍功により、従軍12年目にして皇帝より褒賞を賜り、将官の地位を授与されるが、木蘭は固辞し帰郷して家族と再会し喜びを分かち合う。戦友たちは12年も彼女と生死を共にしていながら、木蘭が女性と気付かなかったことに驚くのだった。

主演女優が香港の民主派市民より警察“支持”

配信された『ムーラン』はもともと、1998年に公開され、ヒットしたディズニーの同名アニメ映画の実写版だ。ただ、主演の中国系米国人女優・劉亦菲(リウ・イーフェイ、33)は2019年8月、香港で反政府デモが吹き荒れている最中に中国版ツイッター「新浪微博(ウェイボー)」に「#AlsoSupportTheHongKongPolice」のハッシュタグとともに「香港警察を支持する。皆で私を批判しても構わない。(デモによる混乱は)何たる香港の恥」と書き込んだ。警察によるデモ隊への弾圧が激しさを増していた時期で、香港の自由と民主化を支持する世界中の人々から劉の発言に非難の声が上がり、ツイッターでは「#BoycottMulan」「#BanMulan」のハッシュタグ付き投稿が拡散された。 また、2020年に入り、『ムーラン』の荒涼たる砂漠や荒れ地のシーンの大部分が中国北西部・新疆ウイグル自治区で撮影されたことがわかり、同地がニュージーランドや中国浙江省、湖北省、甘粛省と並ぶ主要ロケ地となっていたことが判明した。 新疆ウイグル自治区では近年、100万人以上のウイグル人(やその他の民族の)ムスリムが令状なしで逮捕され、再教育キャンプという名の強制収容所に収監されており、収監されたウイグル人は拷問、殺人、性暴力、強制労働、臓器摘出の強要などに直面しているといわれる。 強制収容所外でも信教の自由は否定され、女性に対しては大々的な強制不妊や堕胎がおこなわれており、8月10日に世界の宗教指導者70人以上が共同声明で「ホロコースト以来最も深刻で大規模な人権侵害」と指摘した。過去にも『グリーン・デスティニー(臥虎蔵龍)』(2001年米アカデミー賞外国語映画賞受賞)など新疆ウイグル自治区の奇景で撮影したハリウッド大作はあるが、ウイグル人迫害が国際問題となっている今、同地で『ムーラン』のロケを遂行したディズニーに改めて非難の声が上がった。

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