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大原美術館、8月中旬までの臨時休館延長を発表。他県からの来館などに課題

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美術手帖

 緊急事態宣言の解除に注目が集まるなか、岡山県倉敷市にある大原美術館は8月中旬までの臨時休館延長を発表した。  大原美術館は1930年に開館した、日本初の西洋美術中心の私立美術館。観光地として知られる倉敷美観地区に位置する。  同館は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、4月11日より臨時休館に入っており、その期間は「当面のあいだ」とされていた。しかし、来館者とスタッフのための安全な環境を安定的かつ長期的に実現するため、また今年度中に実施予定だった本館空調工事も実施するために、臨時休館を8月中旬まで継続することを決めた。  同館学芸統括の柳沢秀行は、休館延長にある背景を次のように語る。「まず消毒液やマスクなど、再開に必要な医療物資が足りていない。また当館は小部屋が連続したり建物が複数あったりと建築の形状が複雑で、オペレーションの難しさもある。観光地にある関係上、休館中ですら他県からの問い合わせが多く、再開すれば県外からの移動を促進してしまう可能性がある」。  大原美術館では4月の休館前にはすでに再開後の運用方法を策定していたというが、それでもいま再開することは得策ではないという判断を下した。再開の具体的な日取りについては、臨時休館期間の延長の可能性も視野に入れつつ、感染拡大・収束の状況と対策の進捗を考慮して決定するとしている。  こうした休館延長は、当然ながら収益にも大きな影響を及ぼしており、同館も「かなり厳しい状況」。行政からの休業補償が必須だと訴える柳沢は、「日本の私立美術館は二極化しており、入館料収入に依存度の高い館はこのコロナで閉館してしまう可能性もあるのではないか」と危惧する。

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