バス運転手不足“20歳の救世主”デビューに密着 減便・廃止が各地で相次ぐ 広島
■20歳の挑戦 バス運転手を目指す“ワケ”
勤務を終え、自宅に戻ると“ある写真”を見せてくれました。 藤原さん 「バス祭りに行った時、運転席に座った時の写真です。4歳か5歳か。バスはこのころから好きで、運転手になりたいなという思いでした」 中学校の職場体験では、初めてバス運転手の仕事を体験しました。 藤原さん 「バスに乗って洗車機を通ったり、営業所の中を見させてもらったり」 さらに、実家には大量のバスグッズがあります。 藤原さん 「これは実際に使われていたつり革。マニアックなものを買ってきた時は、(親に)『それいるん?』って言われます」 しかし、「バスが好き」と言うことだけでは、運転手は務まりません。 先輩運転手 「ギリギリでしょ?トラックが」 藤原さん(当時19歳) 「ギリギリですね」 先輩運転手 「だからオーバーハングになる可能性がある」 バスの構造上、曲がる際に後方部分が外に膨らみ、はみ出してしまうオーバーハング。車線の内側に寄せるなどの技術が求められます。大切なのは運転技術の他にも…。 アナウンス 「次は安佐北区民文化センター入口」 千早教官 「送りミスしているよ」 次のバス停を知らせる際に流す音声案内を間違えるミス。長い教習期間中、挫折しそうになった事もあるそうです。 藤原さん 「時間通りに運行できなかったりした時にダメなのかなと思ったりしたんですが、ここで諦めたらいけないなと」
■教習113日目 デビュー目前の“最後の関門”
免許取得からおよそ4カ月、デビュー目前の“最後の関門”。それは、片道およそ1時間かけ、営業所から広島市中心部にあるバスセンターまで客を乗せて運行すること。 藤原さん 「次は中緑井です。バスが止まってから席をお立ちください」 利用者 「子ども2人と大人1人です」 藤原さん 「現金はこちらです。ありがとうございました」 4カ月前はスピードを緩め気味だった、トラックとのすれ違いも今では軽々こなし、千早教官も誇らしげです。 利用者 「こうやって若い人が活躍してくださるのはすごくうれしいし、利用させてもらっている私からしてもありがたい」 利用者(84) 「もう免許、81歳で返しましたから。(若い人がいると)安心。20歳ですごいね」 藤原さん 「次は終点、広島バスセンターです」 「ありがとうございました」 千早教官 「最初はおとなしい子で、マイク案内もできないような子だったんですが、やっぱり運転手っていう使命感ですかね。合格です」 およそ4カ月の教習を経て、ついに「一人前の運転手」としてデビューが認められました。 長戸部長 「地域の公共機関として、皆さんの足になってもらうことを大いに期待しています。これから頑張りましょう」 藤原さん 「ありがとうございます」 デビュー初日は、市立病院が発着点の路線を1人で運行。 藤原さん 「発車します。ご注意ください」 「ありがとうございました」 「(1人でも)だんだんと心に余裕が持てるようになった」 出勤からおよそ12時間。営業所に戻ってきた藤原さんは次のように話します。 藤原さん 「(Q.一日長かった?)長いなとは思いました」 「運転手になって、自分のやりたい仕事をできているので、責任感はすごいあるんですけど夢がかなったなという実感はあります」 (「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年11月29日放送分より)
テレビ朝日