バス運転手不足“20歳の救世主”デビューに密着 減便・廃止が各地で相次ぐ 広島
■藤原さんの教習初日に密着
教習初日、緊張で声が震える藤原さん。 藤原さん(当時19歳) 「ご乗車あり…ありがとうございます」 教官 「席が決まったら、ミラーを合わせてね」 藤原さん(当時19歳) 「はい」 教官 「外はOK?」 藤原さん(当時19歳) 「ちょっと右が…」 一度バスを降りて念入りにミラーを調整します。 藤原さん(当時19歳) 「大丈夫です」 教官 「大丈夫?それじゃあエンジンかけて」 バス運転歴33年のベテラン、千早哲哉さん(63)が教官を務めます。 千早教官 「(Q.藤原さんとは何歳差?)(藤原さんが)19歳なので44歳差ですか。うちの孫と同じぐらい」 2人の年の差は、まさに“おじいちゃんと孫”。しかし、ひとたび公道へ出ると、千早さんは目を光らせ、厳しく指導にあたります。 千早教官 「ダンプが来ているので右に寄らないようにね。左の線に沿って、左の白線に沿って行きます」 藤原さん(当時19歳) 「はい」 初めての教習で、ハンドルを握る手にも力が入ります。トラックとすれ違う際には、慎重になりすぎるあまり、速度が20キロ以下になっています。 千早教官 「藤原くん、もうちょっと(アクセル)踏んでみよう。40キロぐらいまで。左の白線に沿ってね」 “恐怖心”からかスピードを落とし、左から車が見えただけでブレーキを踏む場面もありました。 藤原さん(当時19歳) 「ものすごく緊張しました」 千早教官 「緊張した?ハハハハ…大丈夫、これから上手になるからね」 藤原さん(当時19歳) 「お疲れ様でした」 千早教官 「汗かいた?」 藤原さん(当時19歳) 「結構かきました」 教習を終えると、千早さんは優しい笑顔で話しかけます。 千早教官 「楽しく行くことを心がけていますね。あまり叱っても伸びないので。まぁ…(笑)」 教習を終えてホッとした藤原さんは、この日、初めての笑顔を見せました。